「インフェルノ」の謎・ネタバレ(2/3)

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※この記事では、角川文庫版の中巻のみについて記述しています。
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調べたくなる言葉

◆トラス構造

 三角形を基本単位として、その集合体で構成する構造形式。
作中では、ヴェッキオ宮殿の五百人広間の天井裏に広がる空間が、この構造とされた。


「トラス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年1月26日 3:45 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ロス・キングの「花のドーム」

 ロス・キングは、1962年カナダ生まれの小説家。
ノンフィクション作品を多く手掛け、作中では、「花のドーム」として紹介
されている「天才建築家ブルネレスキ」や「クロード・モネ」、
「システィナ礼拝堂とミケランジェロなどの作品がある。

 

◆天国の門

 サン・ジョバンニ洗礼堂の東側の扉の通称で、1452年、ロレンツォ・ギベルティによる
作品で、ミケランジェロがこう呼んで称賛したと伝えられる。作中では、
イニャツィオ・ブゾーニが、ラングドンのためにこの扉の鍵を開けておいてくれた。

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「サン・ジョバンニ洗礼堂」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年7月22日 2:17 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ネットジェッツ

 オハイオ州コロンバスに本社を置く、ビジネスジェットの部分所有権を販売する会社。
作中では、付き合いのある出版社が、この部分所有権を持っていることを知っていた
ラングドンが、追手の目をくらますために、強引に借りるシーンが登場する。

 

◆サン・マルコ大聖堂

 1090年代に建てられた、ヴェネツィアを代表する教会で、
ビザンティン建築の様式が用いられている。作中でラングドンが紹介した通り、
「内部は全体が純金のタイルで飾られている」。


「サン・マルコ寺院」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月31日 23:40 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆プロセッコ、リモンチェッロ

 プロセッコは、イタリア・ヴェネト州(ヴェネツィアは州都)で造られる白の
スパークリングワイン。
 リモンチェッロは、イタリアのナポリ湾周辺で造られているレモンを使った
リキュール。レモンの果皮をアルコール度数の高い蒸留酒に漬け、取り出した後で
砂糖水を加えて造る。
 どちらも作中で、ラングドンらが乗った「ヴェネツィアーノ・コンバーティブル」
で勧められた飲み物だが、シエナはあっさりと断った。

 

◆リヒャルト・ワーグナーのオペラ「パルジファル」

 リヒャルト・ワーグナーは、1813年現在のドイツ・ライプツィヒ生まれの作曲家。
ロマン派歌劇の頂点であり、楽劇王の別名を持つ。
代表作に、「ニーベルングの指輪」「さまよえるオランダ人」「ローエングリン」など。
「パルジファル」も代表曲の一つで、1865年に作曲。無垢で愚かな若者、パルジファル
を主人公とした全三幕の舞台神聖祝典劇。作中では、ラングドンらがサン・マルコ広場
へ向かう途中で見かけた「カジノ・ディ・ヴェネツィア」はかつて、
ワーグナーがこのオペラを完成させて間もなく急逝した場所だったと紹介されている。

 

◆クリムトの「接吻」

 グスタフ・クリムトは1862年、現在のオーストリア・ウイーン近郊生まれの画家。
「接吻」や「人生は戦いなり(黄金の騎士)」に代表される、金箔を多用した
絢爛な作品や、「ダナエ」などに代表される「ファム・ファタール(宿命の女)」
をテーマにした、女性をモチーフにした作品などを残している。
作中では、ラングドンが、カ・ペーザロ国際近代美術館で、ウィーンから
貸し出されていた「接吻」を見たことで、クリムトに夢中になったという
エピソードが紹介されている。

「クリムト」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』から「接吻」
2019年1月8日 13:43 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆アントニオ・ヴィヴァルディ

 アントニオ・ルーチョ・ヴィヴァルディは、1678年ヴェネツィア生まれの、
バロック後期の作曲家。カトリックの司祭でもある。
多数の楽曲を作曲したが、特に協奏曲を多く残した。
代表作に「四季」「調和の霊感」(どちらも協奏曲)など。
作中では、ラングドンが気に入っているスキアヴォーニ河岸沿いの遊歩道の近くに
ヴィヴァルディが洗礼を受けた教会があると紹介されている。

 

◆ドゥカーレ宮殿

 ヴェネツィア共和国の総督邸兼政庁として使われた建物で、
サン・マルコ広場に面している。元々の建物は8世紀に完成し、
その後、13世紀から16世紀にかけて改修された。
作中では、ボートからこの建物を見たラングドンがスペインのアルハンブラ宮殿を
連想するシーンが登場する。


「ドゥカーレ宮殿」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2016年6月19日 8:40 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ため息の橋

 16世紀に掛けられた、大理石で造られた覆いのある橋で、
ドゥカーレ宮殿と監獄棟を繋いでいる。
作中で、ため息とは恋する男女のため息ではなく、衰弱して死んでいく
囚人の苦悶のうめき声、悲嘆のため息であることが紹介されている。


「ため息橋」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年5月3日 16:12 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆アルハンブラ宮殿

 スペイン南部、アンダルシア州グラナダに位置する城砦、宮殿。
9世紀以降、当地を支配したイスラム系王朝によって、建設、拡張された。


Vista de la Alhambra.jpg「アルハンブラ宮殿」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年11月9日 2:22 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆リトル・ロマンス

 1979年のアメリカ映画。アカデミー賞オリジナル作曲賞受賞。
パリ近郊で暮らす少年ダニエルと、アメリカ人富豪の娘ローレン(ダイアン・レイン)
が、ヴェネツィアのため息橋の下で日没の瞬間にキスをした恋人同士は
永遠の愛を手にするという伝説を聞き、実現するため、駆け落ち同然で
ヴェネツィアへ向かうというストーリー。
作中では、ラングドンが子供のころに見たこの映画が好きで、主演女優の
ダイアン・レインの虜になったと話している。

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「ダイアン・レイン」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』より24歳の頃
2018年12月20日 17:52 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆007/ムーンレイカー

 1979年公開の、イギリスMI6所属のスパイ、ジェームズ・ボンドを主人公
とするスパイアクション映画。映画としては11作目で、
イアン・フレミングの原作としては3作目。タイトルのムーンレイカーとは、元々は
水面に映った月を熊手で掻き寄せようとする人、転じて馬鹿者を意味する
イギリスの隠語。作品では、輸送中のスペースシャトル「ムーンレイカー」が
ハイジャックされたため、ボンドは製造者のドラックスを訪れ、
そこで陰謀を知る、というストーリー。
作中では、サン・マルコ大聖堂の時計塔の上から、ボンドが悪党を突き落とした
というエピソードが紹介されている。

 

◆ダンサーズイメージ

 1965年アメリカ生まれ、父Native Dancer、母Noors Image(その父Noor)。
通算成績は24戦12勝でG1のウッドワードS、ガヴァナーズGCに勝利している。
(作中ではケンタッキー・ダービーに勝利したとされているが、1着入線も
レース後に禁止薬物が検出されて失格となっている)
引退後は種牡馬として各地を渡り歩いたのち1980年から来日。
ローズS勝ちのロングレザーなどを残した。サイアーランキング最高位は12位。
作中では、ラングドンがこの馬を生産した牧場で開かれた披露宴で、
フリージアン種のショーを見たことがあったが、サン・マルコ大聖堂に飾られている
4頭の馬「サン・マルコの馬」を見たときにその記憶が蘇った。

 

以下、下巻へ続く。

 

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