※この記事では、角川文庫版の上巻のみについて記述しています。
調べたくなる言葉
◆ルーヴル美術館とグランド・ギャラリー
フランス・パリにある国立の美術館で、世界最大級の規模を誇る。
(収蔵品38万点以上、総面積60,600㎡など)
元々は、12世紀に時のフランス王フィリップ2世が要塞として建設した建物であり、
16世紀にフランソワ1世の大改築以降は王宮として使われたが、
1682年にルイ14世が自らの王宮をヴェルサイユ宮殿に置いて以降は、
王宮としての役割を終え、美術品の収蔵場所となった。
フランス革命後、美術館として使われることが決定し、1793年に開館している。
グランド・ギャラリーは、元々はルーヴル宮殿とチュイルリー宮殿とを
結んでいた通路で、現在は、イタリア絵画のコレクションが収蔵されている。
作中では、ジャック・ソニエールがシラスに殺されたのがグランド・ギャラリーだった。
「ルーヴル美術館」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年2月20日 13:54 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆シャルトル大聖堂
パリの南西に位置する都市、シャルトルにあり、フランスを代表するゴシック建築
の一つ。1979年に世界遺産に登録されている。
伝承では、聖母マリアのものとされるチュニックを所蔵しているとされる。また、
何度かの火事を経て、現在の大聖堂は1220年ごろに完成したものである。
作中では、アメリカン大学パリ校でラングドンが行った講演が、
シャルトル大聖堂の石像部分に隠された異教徒の象徴を分析するという内容だった。
「シャルトル大聖堂」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月31日 23:33 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆チュイルリー公園
ルーヴル美術館の西側に隣接する庭園。元々は、カトリーヌ・ド・メディシスが
建設を命じたチュイルリー宮殿に付属する庭園だった。チュイルリー宮殿は、
ナポレオン・ボナパルトが王宮として整備し、以降の帝政、王政において、
王宮として使われた。その後、1871年のパリ・コミューン時に放火され、
宮殿は消失し、現在は庭園のみが残っている。
作中では、ラングドンがコレ警部補に連れられてルーヴルへ向かう途中で
この公園の横を通過した。
「チュイルリー宮殿」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月11日 11:32 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆クロード・モネ
クロード・モネは1840年、フランス・パリ生まれの画家で、
印象派を代表する画家。
(モネの作品、「印象・日の出」が印象派の名前の由来となっている)
その他の代表作としては、連作「睡蓮」や、「草上の昼食」など。
作中では、チュイルリー庭園は彼が「構成と色彩の実験を行った庭園であり、
まさに印象派運動が生まれるきっかけとなった場所だ」とラングドンが紹介する。
「印象派」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』より「印象・日の出」
2019年3月9日 10:07 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆カルーゼル凱旋門
チュイルリー公園内のカルーゼル広場に存在する凱旋門。
1806年から1808年にかけて、ナポレオンの勝利を祝うために建設された。
近くにあり、より有名なエトワール凱旋門も同時期に設計されたが、
そちらはカルーゼル凱旋門の2倍の大きさであり、建設に30年を要した。
作中では、この場所から東西南北に4つの世界的に素晴らしい美術館が見えると
ラングドンが紹介している。
「カルーゼル凱旋門」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年2月9日 14:41 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ルーヴル美術館の最も有名な三点
■モナ・リザ
イタリアの多才の天才、レオナルド・ダ・ヴィンチが1500年ごろ制作した絵画で、
ルーヴルにて常設展示されている。謎めいた微笑みや、作中で紹介されているの背後の
景色がずれていることなど、隠された隠語の多さで有名となっている。
「モナ・リザ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年3月30日 14:18 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
■ミロのヴィーナス
1820年にオスマン帝国統治下のエーゲ海の島、ミロス島で発見された
大理石製の彫刻。フランスの海軍提督に買われフランスに渡り、
その後、ルイ18世に献上されたため、現在はルーヴル美術館に収蔵されている。
失われた両腕が様々な芸術家、研究者の想像力をかきたててきた。
「ミロのヴィーナス」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年8月15日 4:43 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
■サモトラケのニケ
1863年ギリシャのサモトラケ島で発見されたギリシャ神話の
勝利の女神、ニケの大理石像。1884年からルーヴル美術館の
ダリュの階段踊り場に展示されている。
「サモトラケのニケ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月12日 3:37 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆オプス・デイ
1928年に聖ホセマリア・エスクリバーによって創立された
実在するカトリック教会の組織(属人区)。
属人区とは、地域によって分けられる教区とは異なり、
職業や典礼など地理的条件以外の基準で分けられるもの。
オプス・デイは、1982年に属人区に認められている。
現在では世界中に9万人を超えるメンバーがおり、日本でも数百名が所属している。
(日本支部は兵庫県芦屋市にある)
組織名は「神の業」を意味し、仕事をはじめとする日常生活の全てを聖化し、
信仰に100%合致した生活を送るように信者を励ますことを目的としている。
作中ではカルトっぽく描かれているが、実態はそうではなさそうであり、
また、属人区の認定を解除されるようなこともありそうにない。
◆ヒソップの枝
ヒソップは聖書に登場する植物で、清めの儀式に度々用いられる。
例えば、旧約聖書の「詩篇」51篇では、不倫、殺人を犯したダビデ王が、
この枝で私の罪を清めてくださいと神に祈る場面が描かれている。
壁際に生える香りのある草として記述されており、
現在ではシリアンオレガノがこの植物ではないかと言われている。
作中では、シラスがサン・シュルピス教会へ行く前に
「ヒソップの枝でわれを清めたまえ」と祈りを唱えるシーンが描かれている。
「ヒソプ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年11月21日 9:16 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆クー・クラックス・クラン
Ku Klux Klan、略称KKKは1865年に最初に結成された白人至上主義団体。
白装束で、白三角巾を被った装束で知られる。その活動としては、
大きく3期に分かれており、第1のKKKは、
南北戦争後の南部に対する北部の支配への反発から生まれ、
次第に奴隷解放にも反対していくようになったことで、現在まで特徴として定義される
白人至上主義的な要素を持つようになった。
この団体は暴力的傾向が高まり過ぎたことで、摘発の対象となり、
1874年に崩壊する。第2のKKKは、第一次世界大戦勃発による愛国主義の
高まりの中で誕生し、黒人のみならず有色人種全体に対して過激な攻撃を加えたが、
またしても攻撃性が行きすぎ、1930年ごろには下火となった。
第3のKKKは第二次世界大戦後に南部の労働階級を中心に誕生したが、
その影響力は以前ものと比べて小さい。
作中では、象徴は背景が異なれば意味も変わるものの例として、
「KKKの白いかぶりものはアメリカでは憎しみと人種差別のイメージにつながるが、
スペインでは同じ衣装が信仰心の表れとなる」とラングドンが考えるシーンがある。
「クー・クラックス・クラン」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年3月23日 3:25 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆東方の星、イシュタル、アシュタルテ
全て、ヴィーナスと同じ自然や母なる大地と結びついた力強い女性の概念として、紹介されている。
■東方の星
東方の三博士をイエス・キリストの元に導いた、ベツレヘムの星のこと。
この星の正体については様々な説があるが、その一つが金星であるとするものである。
■イシュタル
メソポタミア神話に登場する愛と美、戦、豊穣などを司る女神で、
その名の元々の意味は金星である。
■アシュタルテ
地中海世界で広くあがめられたセム語系民族の豊穣多産の女神。
メソポタミア神話のイシュタル、ギリシャ神話のアフロディーテと
同じ女神とみなされる。
◆フィボナッチ数列
イタリアの数学者レオナルド・フィボナッチにちなんで名付けられた数列で、
最初の二項が0,1から始まり、以降はどの項も直前の二項の和となっている数列。
隣り合う数列の和が黄金比に収束することや、作中で紹介されているように
自然界の多くの現象に登場することなどの特徴がある。
◆黄金比
黄金比は、近似値1:1.618で表される比で、古来から人間が最も美しいと
感じる比とされる。フィボナッチ数列と密接な関係があり、
同じく作中で紹介されているオウムガイの殻や、ひまわりの種などの
自然物に見られる他、パルテノン神殿(底辺と高さ)、モナリザ(顔の縦横)など、
芸術作品の中でも多くみることができる。
◆カバラ密教
ユダヤ教の伝統に基づく神秘主義思想。カバラとは、ヘブライ語で「口伝」
という意味を持つ。独特の宇宙観を持ち、その思想は
「生命の樹(セフィロト)」と呼ばれる象徴図で表される。
(「愚者のエンドロール」の「カバリスト」の記事参照)
生命の樹は、10個の球と22の小径が描かれており、
その一つ一つに神の属性が反映されているとする。
作中では、「カバラ密教ではアナグラムを重んじ、ヘブライ語の字句を入れ替えて
新たな意味を導き出していた」とラングドンは語る。
◆マレウス・マレフィカルム
邦題を「魔女に与える鉄槌」は1486年、ドミニコ会士で異端審問官の
ハインリヒ・クラーマーが著した論文。魔女狩りのテキストとして著名であり、
魔術とは何かという説明や、魔女を発見し、魔女だと証明するための
手順などが記されている。 作中では、ラングドンが、
人類史上最も血塗られた出版物とよぶべきものと言う。
◆凱旋門(エトワール凱旋門)
1806年にナポレオン・ボナパルトが、前年のアウステルリッツの戦いの勝利を
祝して建設を指示し、30年後に完成した50mの高さを誇る凱旋門。
パリのシャルル・ド・ゴール広場にあり、ここからシャンゼリゼ通りなど、
12本の通りが伸びており、上から見たときに星の形に見えるため、
エトワール=星の名がある。作中では、ルーヴルから脱出したラングドンとソフィーが、
このロータリーを通り抜けた。
「エトワール凱旋門」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年2月9日 14:18 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ヒエロニムス・ボスの「快楽の園」
ヒエロニムス・ボスは1450年ごろ、現在のオランダに生まれたルネサンスの
画家で、初期フランドル派に分類される。スペインのフェリペ2世に愛好され、
マドリードに多くの作品が残されている。代表作に、作中でブーローニュの森は、
「パリの同性愛者のあいだでは”快楽の園”で通っている。甘美な響きがあるものの
意味がまるでちがうことは、ヒエロニムス・ボスの描いた同名の毒々しい絵を
見た経験があれば納得できるだろう」とラングドンが語る、「快楽の園」がある。
「快楽の園」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年2月10日 5:01 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
以下、中巻へ続く。
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