「ダ・ヴィンチ・コード」の謎・ネタバレ(3/3)

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※この記事では、角川文庫版の下巻のみについて記述しています。
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調べたくなる言葉

◆バフォメット

 ヤギの頭と黒い翼、両性具有といった特徴がある悪魔で、
黒ミサを司るとされた。元々はキリスト教から見た異教の神で、豊穣の神であった。
 作中では、テンプル騎士団がバフォメットを崇めていたことを、
教会側が騎士団を叩き潰す決定打として利用したと語られている。


「バフォメット」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年3月6日 6:05 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆テンプル教会

 ロンドンにある現在はイギリス国教会の教会。元々は、テンプル騎士団の
イングランド本部として建てられた。作中にあるように、
テンプル騎士たちの墓と、円形の建物が特徴的。


「テンプル教会」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月31日 23:53 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ロンドン・アイ

 1999年にロンドンに開業した観覧車。高さ135mを誇り、
開業当時は世界一であった。32のカプセルを持ち、それぞれ25人搭乗可能。


「ロンドン・アイ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年9月30日 14:39 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ジュリアス・シーザー 第三幕一場

 ジュリアス・シーザーは、1599年に制作されたウィリアム・シェイクスピア
による悲劇。主人公は、シーザーの親友のマーカス・ブルータスであり、
シーザー自身は作中であるように第三幕一場で殺されてしまう。
(作品自体は全五幕)

 

◆セント・ジェイムズ・パーク

 ロンドン中心部にある公園で、作中にあるように、
ウェストミンスター、バッキンガム、セント・ジェイムズの各宮殿に接している。
16世紀に王室が土地を入手し、庭園として整備した。庭園内には、ジェイムズ湖があり、
その周辺には作中で紹介されているようにロシアから送られたペリカンのコロニーがある。
 導師とレミーがラングドンらを騙してクリプテックスを手に入れたあと車を
止めた場所。ここで導師はレミーを殺し、ウェストミンスターへと向かった。

 

◆ウサギの穴に真っ逆さまに落ちるアリス

 旅の最後、エジンバラを訪れたラングドンは、「雲ひとつない空にくっきりと
浮かぶ建物を見上げながら」、これまで起きたことを夢にちがいないと思い、
見出しのように感じた。イギリスの小説家、ルイス・キャロルが1655年に
著した「不思議の国のアリス」にて、服を着たウサギを追って穴に落ちたアリスが
穴の中に広がっていた不思議の国を冒険するが、最後には眠りから覚めたアリスが、
夢を見ていたことに気づくというストーリーから使われた比喩。

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆サン・シュルピス教会のキー・ストーンについて

 シオン修道会の総長、ジャック・ソニエールと三人の参事がシラスに襲われた際に、
聖杯に繋がる情報としてシラスに教えた。しかし、そういった自体に備えて
予め決められていた嘘であり、実際にサン・シュルピス教会のローズ・ラインの下に
隠されていたのは石板であり、そこには「ヨブ 38 11」の銘文があり、
聖書のヨブ記三十八章十一節を表しており、そこに記されているのは
「ここまで来るのはよいが、先へ進むべからず」という文であり、
シラスが手に入れた情報は誤っているということを示している。

 

◆ジャック・ソニエールが残したダイイング・メッセージについて

13-3-2-21-1-1-8-5
O,Draconian devil! おお、ドラコンのごとき悪魔め!
Oh,lame saint! おお、役に立たぬ聖人め!
P.S. Find Robert Langdon P.S. ロバート・ラングドンを探せ

1行目はフィボナッチ数列がでたらめに並んでおり、
正しい順番に並び替えると1-1-2-3-5-8-13-21となる。
この並び替えが2,3行目もアナグラムであることを示唆している

2,3行目を並べ替えると以下のようになり、
ルーヴルに展示されているダ・ヴィンチのモナ・リザを調べろという意味になる。

Leonardo da Vinci!
The Mona Lisa!

4行目が孫娘のソフィー・ヌヴーへ宛てたメッセージであり、つまり、
P.S.はソニエールと一緒に暮らしていた頃のソフィーの呼び名、

「プリンセス・ソフィー」であり、後半はそのまま暗号解読の助けとして、
ラングドンを探せというメッセージ。さらに、PSの文字と百合の花を組み合わせた
象徴は、シオン修道会の紋章でもあり、ダ・ヴィンチはシオン修道会の総長を務めた
人物であったことから、ラングドンにシオン修道会と、ソニエールとの結びつきを
示唆するヒントともなっていた。

 

◆ジャック・ソニエールが「国家の間」に残したメッセージについて

 「国家の間」のモナ・リザを展示するプレキシガラスに描かれていたのは以下文字。

SO DARK THE CON OF MAN
人の欺瞞はかくも邪悪なり

 直接の意味は、教会が女性を貶め、男性有利に働く虚言を広げて世界を欺いた
と言う意味で、シオン修道会の基本理念の一つを示す言葉。しかし、この文字列にも
アナグラムが仕組まれており、並び替えると以下のようになる。

Madonna of the Rocks<岩窟の聖母>

この絵はモナ・リザと同じ、「国家の間」に展示されており、
この絵の裏には文字は何も書かれておらず、百合の紋章の浮き彫りと、
PSの文字が記された縦横の長さが等しい
十字形をした金色の鍵が置かれていた。
 鍵には「24 RUE HAXO」、つまりアクソー通り二十四番地にある
チューリッヒ保管銀行パリ支店を示す文字が書き込まれていた。
 金庫を開けるにはこの鍵と、十桁の数字のパスワードが必要だったが、
そのパスワードとは、ソニエールのダイイング・メッセージにあった、
数列をフィボナッチ数列に並び替えた1123581321だった。

Leonardo Da Vinci - Vergine delle Rocce (Louvre).jpg
「岩窟の聖母」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年6月9日 15:13 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆チューリッヒ保管銀行で手に入れたクリプテックスについて

 金庫を開けて出てきたのは、シオン修道会における聖杯の象徴である、
五弁の薔薇が彫り込まれた小箱。小箱の中には、ダ・ヴィンチの日記を基に
ソニエールがデザインしたクリプテックスが入っていた。
クリプテックスは五文字のパスワードで開くようになっていた。
 一方、小箱にも仕掛けがあり、薔薇の象嵌の下に鏡文字で以下のように
書き込みがされていた。

An ancient word of wisdom frees this scroll
and helps us keep her scatter’d family whole
a headstone praised by templars is the key
and atbash will reveal the truth to thee

古の英知のことばがこの巻の封を解き
離散せる一族を集める助けともなろう
テンプル騎士の讃えた墓石が鍵となり
アトバシュが汝に真実を明かすだろう

 

3行目の「テンプル騎士の讃えた墓石」とは、墓石=ヘッドストーンから、
石の頭のことを意味していた。その石の頭とはテンプル騎士たちが崇めていた
バフォメットの頭部を模した像のことを指していた。
4行目のアトバシュとは史上最古の換字式暗号の一つであり、ヘブライ語の
アルファベットの最初の字が末尾の字に、二番目の字が末尾から
二番目の字にと置き換えられる。そのアトバシュを使って、
3行目のバフォメット=Baphometをヘブライ語で換字すると、
「Sh-V-P-Y-A」となる。ヘブライ語ではShはSと発音することもあり、
PはFとも発音でき、Vはときとして母音のOに置き換えられる。
つまり、SOFYA=SOPHIA(英語で「英知」)=SOFIA(古代ギリシャ語)となり、
1行目の「古の英知のことば」となる。これが、一つ目のクリプテックスを
開けるパスワード。

 

◆二つ目のクリプテックスについて

 一つ目のクリプテックスを開けると、中には羊皮紙と二つ目のクリプテックスが
入っていた。クリプテックスはまたしても五文字のパスワードを求め、
羊皮紙には、また四行詩がしたためられていた。

In London lies a knight a Pope interred.
His labor’s fruit a Holy wrath incurred.
You seek the orb that ought be on his tomb.
It speaks of Rosy flesh and seeded womb.

教皇の葬った騎士がロンドンに眠る
彼の者の労苦の果は神の怒りを被る
その墓を飾るべき球体を探し求めよ
それは薔薇の肉と種宿る胎とを表す

1行目は教皇が殺したテンプル騎士の墓があるテンプル教会のことを表していると
ティービングは話すが、実はそれはラングドンらをミスリードするための嘘だった。
実は、「a Pope」は教皇ではなく、アレクザンダー・ポープという、
サー・アイザック・ニュートンを埋葬した̪司宰のことを指していた。
つまり、1行目が指し示す場所は、ニュートンの墓があるウェストミンスター寺院。
2行目の「労苦の果」、3行目の「球体」、4行目の「薔薇の肉と種宿る胎」は
全て、ニュートンが万有引力の存在を知るきっかけとなった「リンゴ」を
指し示しているつまり、二つ目のクリテップスを開けるパスワードは「APPLE」。

◆ソニエールの最後のメッセージについて

 二つ目のクリテップスの中にあったパピルスに記されていたのは
以下の四行詩。

The Holy Grail ‘neath ancient Roslin waits.
The blade and chalice guarding o’er Her gates.
Adorned in masters’ loving art, She lies.
She rests at last beneath the starry skies.

聖杯は古のロスリンの下で待ち
その門を剣と杯が庇い護る
匠の美しき芸術に囲まれて横たわり
ついに星の輝く空のもとに眠る

1行目のロスリンとはスコットランドのエジンバラにあるロスリン礼拝堂を
指しているとラングドンは考えた。1446年にテンプル騎士団が建造した
礼拝堂は異教の象徴にあふれ「暗号の大聖堂」と呼ばれているとされた。

Rosslyn Chapel.jpg

「Rosslyn chapel」『Wikipedia, the free encyclopedia』
 10 Apr 2019 at 13:23(UTC)  URL : https://en.wikipedia.org

そして、実際に事故死したとソフィーが伝えられていた、ソニエールの妻であり、
ロスリン保存協会会長のマリー、ソフィーの弟と再会することができた。
が、ソニエールの暗号はRoslinであり、ロスリン礼拝堂のRosslynとは異なる。
Roslinとはローズ・ライン=本初子午線=経度ゼロの線を示している。
グリニッジ標準時が本初子午線と国際的に定められる前の数百年間、フランスでは
パリ天文台を本初子午線としていた。つまり「古のロスリンの下」とは、
パリを指し示している。
 2行目の「剣と杯」とは、△と▽を意味しており、これはルーヴル・ピラミッド
の中にある逆さ吊りのピラミッドとその下の小型ピラミッドを指している。
 そして3行目は、ルーヴル美術館の芸術作品たちに囲まれていることを意味している。
以上から、2行目で記されている小型ピラミッドの地下空間に
聖杯は隠されていると考えられる。

 

◆導師=ティービングが聖杯を探し求めた理由は?

 イエスとマグダラのマリアとの関係、フランスへ渡ってからの彼女の血筋の
行方などが記されているサングリアル文書は、本来は前の千年紀ののち、
公開されることになっていたが、ソニエールら、現代のシオン修道会が
公開しないことを決めたため。そのことをティービングは、教会の圧力に負けて
聖杯を冒涜したと述べており、ソニエールらに代わって過去の教会の
過ちを糺し、真実を明らかにするために聖杯を求めていた。
(しかし、後にマリーに語られているように、修道会の協議では、聖杯を
公にすべき日を規定しておらず、逆に公にされないよう努めてきた)

 

◆オプス・デイのアリンガローサ司教、シラスが導師に協力した理由は?

 オプス・デイはその過激な慣行が新教皇の目には、現在の教会にはそぐわない
と考え、オプス・デイの属人区の認可を取り消すことにした。認可を取り消されることは
カトリックからの離脱を意味する。そのために起死回生の策を求めており、
その窮状をかぎつけた導師=ティービングに付け込まれ、駒として使われた。

 

◆聖杯の正体とは?

 作中では、聖杯とはモノではなく、一人の女性であるとティービングにより
紹介されている。その女性は、ダ・ヴィンチの「最後の晩餐」でイエスから見て、
すぐ右側に座っており、カトリック教会により娼婦と呼ばれて貶められている、
「マグダラのマリア」であるとされた。
 さらに、彼女はイエスの妻であり、イエスは彼女を自らの後継者と考えており、
血筋も有力な王族であるベニヤミン族であるとされた。以上から、聖杯とは
「キリストの血を受けた杯」である「イエスの聖なる血脈を宿した子宮」=
「マグダラのマリア」であるというのがティービングの主張。 
 イエスの磔刑時、彼女は妊娠しており、フランスへ密かに渡り、
サラという娘を出産した。その後、現地のユダヤ人社会でその血は守られ、
五世紀にフランス王家、メロヴィング家と結びつき、後にシオン修道会の
創設者が生まれ、さらにジャック・ソニエール、ソフィーへと繋がった。
(ソニエールが幼き日のソフィーをプリンセスと呼んでいたのでは、
実はこの血統の後継者であるためであった)
 以上から、聖杯とはマグダラのマリアの血筋を引くものたち、あるいは
その歴史を記したサングレアル文書のことを本作では指している。

 

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