「QED 六歌仙の暗号」の謎・ネタバレ

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「QED」シリーズの第2作。
1993年5月の出来事。
この年、桑原崇は26歳、棚旗奈々は24歳。

 

調べたくなる言葉

◆減感作療法

 アレルゲン免疫療法とも。アレルギーの原因物質アレルゲンを少量から投与し、
身体をアレルゲンに慣らすことで、アレルギー症状を和らげようとする療法。
 作中では、花粉症が酷い外嶋がこの療法が面倒だと言うエピソードが紹介されている。

 

◆ヘルメス、カバラ

 ヘルメス・トリスメギストスは、ギリシャ神話のオリュンポス十二神の一人で、
旅人、盗人、音楽、天文学、知恵などの神ヘルメスと、エジプト神話の、
知恵の神トート、さらに伝説的な錬金術師が同一視された存在。
錬金術師の祖とされる。
 カバラは神秘主義思想の一つ。
詳細は、「愚者のエンドロール」の「カバリスト」の項参照。
 作中では、オカルト研究会にいたことから、桑原はオカルトが得意分野では?
と問う奈々に外嶋が否定し、よくてヘルメス、カバラを知っている程度だと話す。

 

◆パラケルスス

 1493年スイス生まれの錬金術師、医師。スイスのバーゼル大学で学び、
後にイタリアのフェラーラ大学で医学を学んだとされる。錬金術師としては、
それまでの錬金術が金を作り出すことを目的としていたのに対し、
不老不死の万能薬=賢者の石を作り出すことを目的とすべきと考えたことが特徴。
 医師としては、金属の化合物を初めて医薬品として使ったことから、
「医化学の祖」と呼ばれる。作中では、前項で外嶋が話した通り、
桑原はオカルトにはたいして興味が無かったと語る。ただ、その中でも、
「悪魔を飼い慣らして、下僕として使役していた」とされるパラケルススには、
少し惹かれたとしている。

 

◆地獄で蜘蛛の糸を見つけた犍陀多のように

 犍陀多(カンダタ)は、芥川龍之介の1918年の小説「蜘蛛の糸」の主人公で
ある泥棒の名前。彼はかつて蜘蛛を助けたことがあったことから、
釈迦が彼を助けようとして極楽から蜘蛛の糸を垂らすという物語。
 作中では、死にゆく佐木を目にして動転した星田が、旧知の木村に出会った
ときに、星田は「地獄で蜘蛛の糸を見つけた犍陀多のように」嬉しく思った。

 

◆清水寺

 京都市東山区にある778年創建とされる法相宗系の寺院。観音像を本尊とし、
日本を代表する観音霊場の一つとされる。作中では、清水の舞台の本来の使い方を
桑原が奈々と斎藤貴子に説明する下りがある。

 

◆奈良と鎌倉の長谷寺

 作中で、桑原が清水寺の舞台と同じ役割を持っていた寺院として紹介しているように、
どちらも高台にある。
 奈良の長谷寺は、奈良県桜井市にある真言宗系の寺院で、
奈良時代の創建と伝えられる。本尊は十一面観音。
 鎌倉の長谷寺は、浄土宗系の寺院で、736年の創建と伝わる。本尊は、
奈良の長谷寺と同じく十一面観音であり、それだけではなく、
同じ木から作られたものとされる。

 

◆最古の七福神巡りコース

 
 桑原ら三人が、二日間でできるだけ回ろうとした、日本最古と言われている
七福神巡りのコース。
①妙円寺(松ヶ崎大黒天)
②三千院弁天堂(弁天)
③六波羅蜜寺(弁天)
④東寺(毘沙門天)
⑤毘沙門堂(毘沙門天)
⑥ゑびす神社(恵比寿)
⑦護浄院(福禄寿)
⑧赤山禅院(福禄寿)
⑨行願寺(寿老人)
⑩長楽寺(布袋)
⑪黄檗山万福寺

 

◆大国主と息子たち

 大国主命は、日本神話に登場する神で、大穴牟遅神、八千矛神、大物主、
葦原醜男など、多くの別名を持つ。素戔嗚尊の息子、あるいは子孫であるとされる。
農業や薬、国造りなどを司り、出雲大社他多くの神社で祀られている。
 作中で桑原に紹介されているように、天照大神の命を受けた、建御雷神、布都主神
(古事記の場合。日本書紀では、天鳥船神)に国を譲らされた。その際に、
大国主命は殺害されるか自害させられたとされる。
 大国主命の息子の一人、事代主神は、建御雷神に国を譲るかと問われた際に、
承知したと答えて、乗っていた船を踏み傾け、天の逆手を打って、船を青柴垣に変え
そこに隠れてしまったとされる。このことは、桑原の説明によると、
「天照大神を呪って海に身を投げ」たという意味。
 また別の息子、建御名方神は建御雷神に力比べを挑んで敗れ、諏訪の地まで
追われ、国を譲ることとその地を出ないことを約束させられた。
(建御名方神は諏訪大社の祭神として祀られている)

 

◆総持寺

 神奈川県横浜市にあり、福井の永平寺とともに曹洞宗の大本山である寺院。
奈良時代に僧、行基によって創建されたと伝えられる。本尊は釈迦如来。
 実は1898年に火災にあい、1911年に現在地に移転するまでは、
石川県の輪島市にあった。作中では、この寺院にある御霊殿に、怨霊が、
つまり、後醍醐天皇が祀られていると桑原が説明する。

 

◆広隆寺の半跏像

 広隆寺は、京都市右京区にある真言宗系の寺院であり、603年または622年に
秦氏の氏寺として創建。本尊は聖徳太子。本寺院には、2体の弥勒半跏像が
納められており、どちらもが国宝となっている。作中では、弥勒は釈迦に凌駕されて
しまったため、大いに荒れたことで、仏たちによって兜率天に閉じ込められ、
56億年7千万年封じられた、恐ろしい存在であると語る桑原に対して、
奈々が思い浮かべたのが、この像であったため、しっくりこなかった。


「広隆寺」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年5月5日 10:22 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ロバート・ラドラム

 1927年アメリカ・ニューヨーク生まれの小説家で、スパイ小説、冒険小説を
多く発表している。代表作に記憶を失った男の戦いを描いたスパイ小説、
「ジェイソン・ボーン」三部作など。

 

◆モーリス・ルブランの「カリオストロ伯爵夫人」

 モーリス・ルブランは、1864年フランス・ルーアン生まれの小説家で、
怪盗紳士アルセーヌ・ルパンを主人公とする推理、冒険小説シリーズで知られる。
 「カリオストロ伯爵夫人」は、アルセーヌ・ルパンシリーズの一作で、
1924年に発表。フランスの修道院に隠された財宝を巡って、カリオストロ伯爵夫人、
宝を狙う一派の首領ボーマニャン、そして、若き日のルパンが三つ巴の争いを
繰り広げる。作中では、七福神に隠された暗号が金塊の山の在りかを示すのでは
と妄想する小松崎に、ロバート・ラドラム、モーリス・ルブランの作品の
読み過ぎだと桑原は指摘する。つまり、冒険ものの読みすぎということか。

 

◆アレクサンダーズ・シスター

 ドライ・ジンとクレーム・ド・ミント、生クリームをシェイクして作られるカクテル。
ベースをブランデーにして、クレーム・ド・カカオに変えるとアレクサンダーになる。
作中では、桑原が奈々のために勝手に注文したカクテル。

 

◆薬子の変

 平安時代初期の810年に起きた事件で、平城上皇と弟の嵯峨天皇の対立により
発生。結果は、坂上田村麻呂らをはじめとする嵯峨天皇の軍勢が、平城上皇の
軍勢を破り、平城上皇は出家し、後ろで糸を引いていたとされる藤原仲成は殺され、
その妹で平城上皇の尚侍(女官)であった藤原薬子は服毒自殺をした。
 この変により、藤原式家は権力を失い、藤原北家がその地位を占めていく。

 

◆承和の変

 842年に起きた事件で、藤原北家の藤原良房による、伴氏、橘氏、紀氏などの
他氏族や藤原氏のライバルを排除する事件とされる。良房は、妹の子である
道康親王(のちの文徳天皇)の皇位継承を望み、皇太子、恒貞親王を排除する
ために、謀反を企んでいるとして、本人は廃太子、周囲の人物を処罰した。
 この事件ののち、藤原良房は人臣として初の摂政、太政大臣まで上り詰める。

 

◆芥川龍之介の小説

 藤原良房の失で、飢饉が広がり、羅城門にまで死体が投棄されていたと
桑原が語る場面で「芥川龍之介の小説にもあっただろう」と紹介されている。
 その小説は、「羅生門」で、荒廃した羅城門を舞台に、職を失った下男が、
死体から髪を抜いて売ろうとする老婆に怒りを燃やすが、
彼女から生きるためには仕方がないと聞かされた彼は、おれも仕方がないのだと
老婆の衣服を奪ってどこかへ去っていくという話。

 

◆応天門の変

 866年に起きた事件で、この事件により古代からの名氏族であった伴氏(大伴氏)
の失脚が決定的になった。この事件は、平安京の大内裏の内側、政務を執り行う
朝堂院の正門であった応天門が放火された事件で、大納言、伴善男親子に
疑いが掛けられ、有罪となり、流罪とされた。しかし、作中で桑原が語るように、
応天門は伴氏が天皇家に献上した氏の門であり、その門を伴氏の人間が焼くとは
考えづらいため、藤原氏の陰謀と考えられる。

 

◆エラリー・クイーン

 「愚者のエンドロール」の記事参照。

 

◆平等院鳳凰堂

 京都市宇治市にある寺院で、1052年に藤原頼通によって創建された。
作中で木村涼子は「この世に極楽浄土を具現しようとして建立」されたと語る。
本尊は阿弥陀如来。国宝及び世界遺産に登録されている。
 藤原頼通は、藤原良房の子孫で、藤原道長の子。父や父祖と同様に、
摂政、関白、太政大臣を歴任した。

Phoenix Hall, Byodo-in, November 2016 -01.jpg
「平等院」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年5月11日 16:50 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆佐木泰造の殺害について

 明邦大学薬学部教授、佐木泰造を毒殺したのは、明邦大学文学部助教授、木村継臣。
木村は、木村家に伝わる「紀の毒」を飲ませて佐木を殺した。
(佐木が死の間際に漏らした「きのどくに」という言葉は「気の毒に」ではなく、
「紀の毒に(やられた)」であったのだ)
 また、佐木が殺された際、研究室は密室であったが、鍵がかかっていたのではなく、
扉の内側に殺害者の木村が隠れていたため、開かなかったのだ。その後、
星田が去ると、非常階段から先に地上へ降りて、何食わぬ顔で、彼に出会った。
 そして、星田より速く階段を上り、佐木の研究室のドアに飛びつき、
鍵がかかっているように見せかけたのだ。
 動機は、木村は「紀の毒」の成分分析を佐木に依頼していたが、
結果を佐木が論文にして学会に発表したいと言い出したためだった。

 

◆星田秀夫の殺害について

 明邦大学薬学部助手、星田秀夫を殺害したのは、木村の妹、綾乃だった。
彼女は星田のアパートを訪問し、刺殺した。その際、彼女は窓を開けて
そこから逃走しようとしたが、窓の外には、キク科多年草のアザミの花が
咲いていた。重度のキク科アレルギーである彼女はそこを通ることができなかった。
 動機は、星田は佐木の家から、実験結果のノートを持ち帰っていたが、
彼女はその内容が公開されることを恐れたのだ。

 

◆木村嗣臣の殺害について

 木村嗣臣を殺したのは妹の綾乃。兄が佐木に「紀の毒」を渡したことが
許せなかったため、自殺に見せかけて殺した。彼女の考えによれば、
「紀の毒」はずっと秘密にしておく必要があったのだ。また、
彼女が齋藤貴子を襲ったのは、七福神の研究を行うことになり、
兄の健昇と同じく、紀氏の秘密に気づく可能性があったためと考えられる。
 健昇については、3年前に鞍馬で事故死しており、桑原も事故死だったのでは
と言っているが、おそらくは訪問した木村家で紀氏の秘密に関わる発言をしたため、
殺されたのではと推察する。紀氏の秘密については後述。

 

◆木村家の謎について

 木村家は紀州・和歌山の出身で、元々は「紀邑」と書いた。
(また、同じく和歌山出身の佐木は「佐紀」と書き、紀氏を助ける家系)
 つまり、紀氏の家系であると、少なくとも若き日の嗣臣と綾乃は信じていた。
が、実はそうではなく、「紀氏の秘密を護る、ただそのためだけに、ずっと
存続しておる」(木村しづ)という家系だった。作中で、涼子と綾乃が事故死し、
しづが服毒自殺をして、木村の家が断絶することになったのは、秘密を護るという
目的を達成し得なくなったためかもしれない。

 

◆紀氏の謎について

 紀氏の謎は、六歌仙及び七福神と大いに関わりがある。というのも
六歌仙=七福神であるからだ。六歌仙は全て文徳天皇第一皇子、惟喬親王の
周りにいた人物である。惟喬親王は、本来皇位に就くはずだった人物だが、
紀氏の血筋であることから、藤原良房、基経に妨げられてしまった。


 六歌仙の人々も同じく藤原氏の陰謀により、悉く中央から追放された人々、
つまり恨みを持って亡くなった=怨霊である。その彼らと惟高親王を七福神によって、
封じているというのが桑原の説である。


 まず、大伴黒主の一族、大伴氏は応天門の変で中央から遠ざけられた。その彼ら
を封じているのは文字通り大黒天である。大黒=大国主は、二度殺されたのち、
出雲を平定するが、その後、国譲りの際に殺された。一方、大伴氏一族の
大伴家持は死後に流罪に処されているという類似が見られるため、
大伴黒主=大黒天。

 小野小町は仁明天皇更衣という地位にありながら、天皇崩御とともに、
宮廷を追われて悲惨な老後を送ることになった。その彼女を封じているのは、
七福神唯一の女性である弁財天。弁財天は豊穣の女神であり、言語や芸能の神。
 小野小町とは、言語と言う点で共通点があるだけでなく、芸能の「能」に、
まとめて「七小町」と呼ばれる演目がある。(七は、怨霊封じの数字だ)
さらに、古今集仮名序で「小野小町は古の衣通姫の流なり」とあるが、
どちらも「帝との愛情を妨げられて宮廷から追放されて死んだ」という点で、
共通している。そして、弁天は過去に織姫と彦星のように、互いの中を引き裂かれた
恨みを持っているとされる。最後に、小野小町は、別名を「雨乞小町」だが、
弁財天は龍神は雨を降らす存在である。故に、小野小町=弁財天。

 惟喬親王は、皇位を弟に奪われたばかりか、宮廷を追われ、比叡山のふもと、
小野の里で出家させられた。
その彼を封じているのは、毘沙門天である。毘沙門天は、戦いの神であり、世界の守護者で
あったが、弟の策略にのって宮殿を追い出され、ヒマラヤまで逃げたとされる。
この共通点から、惟喬親王=毘沙門天。

 文屋康秀は承和の変などで一族がいわれなき罪を着せられて朝廷を追われた。
中でも、宮田麻呂は財産目当てに無実の罪を着せられたことから、
八所御霊として今も祀られている。その彼(ら)を封じているのは、
恵比寿である。恵比寿は七福神中、唯一の日本の神で、商売、労働、航海、漁業
の神であるが、彼は伊弉諾尊と伊弉冉尊との間に生まれた「蛭子」=足の立たない子
であり、葦船で流されたと日本書紀にある。つまり、「流された」という共通点から、
文屋康秀=恵比寿。

 在原業平は、藤原良房が、清和天皇皇后とすべく画策していた、
藤原長良の娘、高子と駆け落ちを図るが失敗し、罪人同然に官位をはく奪され
東国へ逃げる羽目になった。彼を封じているのは、寿老人=呪老人である。
 寿老人は、老子が天に昇って仙人になった姿で、南極老人星を表している。
在原業平は藤原氏に呪いをかけ続けた老人であるため、寿老人と繋がる。在原業平は、
表向きはそれとわからないように、藤原氏を呪う歌を多く残した。また、
寿老人は福禄寿と同体であるとされるが、彼らはさらに、人の命を司る神、泰山府君
とも言われているが、この神の祭りを日本で初めて執り行ったのは在原業平の曽祖父、
桓武天皇である。以上から、在原業平=寿老人。

 僧正遍照は本名を良岑宗貞といい、桓武天皇の孫という血筋であり、仁明天皇の時代
には蔵人頭にあったが、惟喬親王と親しかったことから地位を追われた。
その彼を封じているのは、福禄寿である。福禄寿は寿老人=南極老人星を人格化
した存在である。同じ桓武天皇の子孫という関係から、在原業平と対の関係にあり、
それがすなわち同体とされる寿老人=福禄寿に繋がる。
だからこそ、同体にも関わらず、七福神に二人とも入っている理由である。
以上から、僧正遍照=福禄寿。

 最後に残った喜撰法師は、紀仙とも書くとされ、伝承では紀名虎の子とされる、
紀氏一族の人物である。それが事実であれば、惟喬親王の母とは兄妹or姉弟であり、
さらには、大伴氏と同じく応天門の変で排除された家系である。その彼を
封じているのは残った布袋であるということになるが、実はそうではない。
 布袋は、中国・唐代の僧、契此という禅僧がモデルであるとされ、常に袋を担って
物乞いをして歩き、貰ったものはその袋に蓄えておき、他の人に分け与えたとされる。
そして彼は、弥勒の生まれ変わりだという伝説を持つ。弥勒は、荒れ狂ったため
兜率天に五十六億七千万年封じられているが、怨霊ではなく、さらには
五十六億七千万年後には復活する存在である。これはつまり、他の6人とは異なり、
紀氏だけは封じられていないどころか、未来に復活する存在である。
 ということは、紀氏は他の6人を裏切っていることになる。これが、紀氏の
秘密であり、木村の家が護り続けてきた秘密である。
 

◆古今和歌集の謎

 古今和歌集は、惟喬親王皇子の兼覧王と、紀貫之ら紀氏の手によって
編纂が行われた勅撰和歌集。この和歌集では、六歌仙の人々の鎮魂と同時に
藤原氏への呪が掛けられている。具体的には、各歌の繋がりによって、
藤原氏を貶める意図を込めているのだ。しかし、紀貫之はこの和歌集で、
前項のような離れ業をやってのけた。それは喜撰法師の以下の歌によって証明される。

通常は、わが庵は 都の巽 鹿ぞ住む 世をうぢ山と 人は言うなり と書かれる。
しかし、宇治は都の巽、つまり南東ということになるが、正確には東南東=辰である。
そこで、以下のように読み替えると謎が解ける。

わが庵は 都の辰 み鹿ぞ住む

ここで「み鹿」を「みろく」と読むと、「私は後の世に弥勒のように復活して見せる」
いう紀氏の強い意志が読み取れる。

 

<次回作>

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