「QED ベイカー街の問題」の謎・ネタバレ

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「QED」シリーズの第3作。
1994年1月の出来事。
この年、桑原崇は26歳、棚旗奈々は24歳。

 

調べたくなる言葉

◆ボヘミアの醜聞

 1891年に初めて発表され、1892年発行の「シャーロックホームズの冒険」に収録。
56あるホームズ・シリーズの短編のうち、一番初めのものであり、
シリーズ全体を通しても3作目。

 

◆ブルックナー

 ヨーゼフ・アントン・ブルックナーは、1824年オーストリアのアンスフェルデン
生まれの作曲家。交響曲と宗教音楽の分野で特に優れた楽曲を残した。
 代表曲に、「ミサ曲第一番ニ短調」「テ・デウム」
「交響曲第三番ニ短調(ワーグナー)」「交響曲第四番変ホ長調(ロマンティック)」
 作中では、舞台となった1993年のクリスマスに外嶋は、ブルックナーを
聞きに行こうと考えていたが、指揮者ギュンター・ヴァントが来日を
取りやめてしまったため、行く気にならないと語る。

 

◆ギュンター・ヴァルト

 1912年ドイツ・エルバーフェルト生まれの指揮者。ミュンヘン音楽院、
ケルン音楽大学卒業。その後、ケルン歌劇場、ケルン放送交響楽団、
北ドイツ放送交響楽団、ベルリン・フィルなどで活躍した。特に、
ドイツ音楽を得意としたが、中でも、ブルックナーの指揮には特に優れていた。

 

◆ライヘンバッハの滝

 スイス・ベルン州にある滝で、落差250mを誇る。「最後の事件」において、
ホームズと、宿敵のモリアーティ教授が相打ちとなって共に滝つぼに落ちたとされる。
(のちにホームズは生きていたことが明らかになる)
「最後の事件」は、1893年に発表された作品で24番目の短編。
「シャーロック・ホームズの思い出」に収録。

 

◆唇のねじれた男

 1891年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、
6番目の短編。「シャーロック・ホームズの冒険」に収録。
 この作品にはアヘン窟が登場するため、作中で
「ベイカー・ストリート・スモーカーズ」というサークル名が、
smokeという言葉がアヘンを吸うという意味もあることから、
繋がりがあってよい名前と、緑川が語る。

 

◆恐怖の谷

 「ストランド・マガジン」に1914年から15年にかけて連載された、
シャーロック・ホームズシリーズの作品で、長編小説の一つ。作中では、
この作品の舞台となったバールストーン館の場所についての検証の論文が、
シャーロキアンたちの研究の一つとして紹介されている。

 

◆アラン・アレクサンダー・ミルン

 1882年、イギリス・ロンドン生まれの作家。「くまのプーさん」のような
児童文学作品が有名だが、「赤い館の秘密」という推理小説も残している。
 作中では、この人物もシャーロキアンであったと紹介されている。

 

◆ホームズ物語

 1984年から94年にかけて、イギリスのテレビ局・グラナダTV製作の
テレビドラマ。ジェレミー・ブレットがホームズ役を演じた。19世紀ヴィクトリア朝
時代の雰囲気を忠実に再現されていることが特徴。作中では、緑川は、
彼(ジェレミー・ブレット)も素晴らしいが、ホームズ役といえば、
ベイジル・ラスボウンね、と語る。

Jeremy Brett as Sherlock Holmes.jpg
「Jeremy Brett」『Wikipedia, the free encyclopedia』
17 June 2019, at 23:47 (UTC)  URL : https://en.wikipedia.org

 

Basil Rathbone
「ベイジル・ラスボーン」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年4月10日 5:06 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆空き家事件

 1903年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、25番目の短編。
短編集「シャーロック・ホームズの帰還」に収録。本作では、ライヘンバッハの滝に
落ちて死んだはずのホームズが復活を遂げる。作中で、
ベイカー・ストリート・スモーカーズの3周年記念&空き家事件百周年記念の
お祝いパーティーが開かれることになり、そこで事件が起こる。

 

◆ホット・バタード・ラム

 角砂糖、ダークラム、熱湯、無塩バターをグラスに入れて、ステアすることで
作られるカクテル。作中では、冬の寒さに冷えた奈々がいつもの
カル・デ・サックで注文する。

 

◆まだらの紐

 1892年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、8番目の短編。
「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている。作中では、
ホームズシリーズの納得のいかない点の例として、桑原はこの作品の瑕疵の多さに
疑問を持っていることが挙げられている。具体的には、沼毒蛇が博士の口笛一つで、
自由になるまでに調教されうるのか?など。

 

◆赤毛連盟

 1891年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、2番目の短編。
「シャーロック・ホームズの冒険」に収録されている。作中では、桑原はまだらの紐と
同じくこの作品にも疑問点が非常に多いところがあると語っている。

 

◆アガサ・クリスティ

 1890年イギリス・デヴォン州生まれの推理小説作家であり、
多くのベストセラー作品を持つことから「ミステリーの女王」と呼ばれる。
 エルキュール・ポワロやミス・マーベルなどの名探偵を生み出し、
代表作には「そして誰もいなくなった」「オリエント急行殺人事件」
「アクロイド殺し」「ABC殺人事件」など。作中では、桑原がホームズについての
彼女の言葉を紹介している。「私が敬意を表したいのは、
その作家サー・アーサー・コナン・ドイルに対してだ。ホームズのこれらの物語は、
現実にはこじつけが目立つし、誤りに満ちており、わざとらしさが目にさわる」と。

 

◆ホワイト・レディ

 ドライ・ジン、ホワイトキュラソー、レモンジュースをシェイクして作られる
カクテル。作中では、奈々がドクター・ワトスンの後に頼んだカクテル。桑原が、
「1919年、ロンドンで生まれたカクテルだ。ハリー・マッケル・ホーンという
一人のバーテンダーによってね。古き良き時代を彷彿させるね」と語る。

 

◆ギデオン・フェル博士

 イギリスの推理小説家、ジョン・ディクソン・カーの作品に登場する
名探偵の名前。125kg以上のずんぐりした巨体で、ふさふさした髪が額にかかり、
大きな赤い丸顔にはやした髭が特徴の人物であり、主な登場作品は、
「三つの棺」「防止収集狂事件」など。作中では、堀田が
ベイカー・ストリート・スモーカーズの面々から彼の名前で呼ばれている。

 

◆エルキュール・ポワロ

 イギリスの推理小説家、アガサ・クリスティの作品に登場する名探偵。
ベルギー人で、警察官として署長まで勤めた後で退職していたところ、
第一次大戦でイギリスへ亡命していたところ、友人であるイギリス人、
へイスティングス大尉と再会し、彼が巻き込まれていた事件を解決するところから
シリーズが始まり、長短編合わせて80作以上に登場した。
 160cmそこそこの身長に、緑の目、卵型の頭に黒髪、そして、ぴんと跳ね上がった
大きな口ひげが特徴。そのため、作中では、奈々が堀田に初めて会ったときに、
エルキュール・ポワロを連想したと語る。

 

◆メアリ・モースタン嬢

 シャーロック・ホームズシリーズ第2の長編で、1890年に発表された「四つの署名」
において、ホームズへの依頼者として登場。後に、ワトソン博士と結婚する。
 小柄なブロンドで、大きな青い瞳を持ち、身体つきはなおやかである。作中では、
杉が初めて会った奈々に対して、メアリ・モースタン嬢のように素敵な女性と褒める。

 

◆鹿鳴館

 1883年(明治16年)に、現在の東京都千代田区に建設された建物で、
外国要人を迎える迎賓館として建てられた。設計はお雇い外国人の
ジョサイア・コンドル。作中では、ベイカー・ストリート・スモーカーズの
面々が演じた舞台で、緑川の衣装が写真で見たことのある、鹿鳴館衣裳そのものだった
と奈々が語る。鹿鳴館衣裳とはおそらく、以下参考画像のような衣裳であろう。

Rokumeikan.jpg


「鹿鳴館」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年6月22日 13:22 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ブラック・ヴェルヴェット

 ゴブレットにシャンパンとスタウトビールを注いで作られるカクテル。作中では、
最初の事件発生後に桑原と奈々、緑川が伊勢佐木町のパブ「J&J」で
会った際に、緑川が飲んでいたカクテル。

 

◆藤荘

 1908年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、38番目の短編。
第4短編集「シャーロック・ホームズ最後の挨拶」に収録されている。
 当初は、前編が「ジョン・スコット・エクルズ氏の奇妙な体験」、
後編が「サン・ペドロの虎」として発表されたが、後に「ウィステリア荘」
と改題された。作中では、坂巻の死がこの作品に登場するブードゥ教のように、
宗教がらみで殺されたのではないかという説を、半ば冗談で緑川が提示する。

 

◆ブードゥ教

 カリブ海の島々で主に信仰されている民間信仰の一種。西アフリカのフォン語の
「精霊」という言葉が元になっているようで、元々は西アフリカ土着の信仰。
その土地からカリブ海地域へ奴隷として連行されてきた人々が受け継いできた教えに、
キリスト教的要素が加わり現在の姿となった。

 

◆モスコー・ミュール

 グラスにウォッカとライムジュース、少量のジンジャーエール(ジンジャービア)
を注ぎ、ライムスライスを飾って作られるカクテル。名前は、「モスクワのラバ」
という意味であり、ラバに蹴られたように効くというところから。
 作中では、「J&J」での会合で、奈々が飲んでいたカクテル。

 

◆緋色の研究

 1887年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの長編小説で、
シリーズ最初の作品。ホームズとワトソンの出会いと、その後に起こる殺人事件が
描かれている。作中では、坂巻の殺人において、犯人は何故、坂巻の肝臓を刺して
その上、それを抜き取って大出血をさせたのかという謎についての議論で、
犯人自身の出血を隠すためではとの説が、桑原によって提示される。その検証の過程で、
「怪我ではなくても、何か出血していたような様子の人は……?」(奈々)
「『緋色の研究』のジェファスン・ホープのように興奮の余り大量の鼻血を
出してしまったとか?」(緑川)という会話が登場する。

 

◆ライゲットの謎

 1893年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、19番目の短編。
第2短編集「シャーロック・ホームズの思い出」に収録。掲載誌によっては、
「ライゲート大地主」となっている場合も。極度の過労状態となったホームズと
ワトソンが、療養のために訪れたライゲットで、殺人事件が発生し彼らは
巻き込まれてしまう。作中では、坂巻が握っていたメモの破れた一部が、
この作品に登場する「馭者のウィリアム・カーワンが握っていた、手紙の半切れと
同じくらいに」重要な証拠となると桑原が推測する。

 

◆グロリア・スコット号 

 1893年に発表されたシャーロック・ホームズシリーズの作品で、17番目の短編。
「シャーロック・ホームズの思い出」に収録。作中で桑原によって
「二十歳のホームズが大学時代唯一の友人ヴィクター・トレヴァの依頼で手掛けた、
記念すべき生涯初の事件だ」と紹介されている。

 

◆バカルディのホワイトラム

 バカルディ社は1862年にキューバで創業された蒸留酒メーカーで、
世界最大のラム酒のメーカーである。そのロゴには、健康、幸福、家族の団結を
意味するコウモリがあしらわれている。ホワイトラムは、代表的製品であり、
バカルディ、モヒート、キューバリブレなどのカクテルや、ケーキなどの風味付けにも
多く用いられる。作中では、この酒が世界で抜きん出て1番に売れている銘柄だと
桑原が奈々に話すが、理由については、物語最後まで語らない。ここでは、
先んじてネタバレをすると、ケーキ作りに使用されるためである。

 

◆メリー・ポピンズ

 オーストラリア出身の作家、パメラ・L・トラヴァースによる児童文学シリーズ
及びその主人公の名前。1964年にウォルト・ディズニーによりミュージカル映画化
され、アカデミー賞で5部門を受賞した。1910年のロンドンを舞台に、
厳格な銀行家のバンクス一家にナニー(乳母兼家庭教師)としてやってきた
不思議な力を持つメリー・ポピンズが、家庭の雰囲気を、そして仕事第一の
バンクス氏の考え方を変えていくというあらすじ。作中では、松丸警部補が、
「ホームズ愛好会だろうが、メリー・ポピンズ愛好会だろうが、
人が一人殺されているのだ」と、事件の捜査が進展しない状況へのイラつきをぶつける
シーンが登場する。

 

◆丸十と会津若松

 松丸十三警部補は、その名前から「丸十」と部下からあだ名されているが、
「このあだ名だけは嫌いなのだ」と語る。その理由は、彼は会津若松出身であるため、
薩摩藩・島津家の家紋である丸十(〇の中に十字)を快く思っていないためだ。つまり、
1868年-69年の戊辰戦争の際に、会津藩は薩摩藩を中心とする新政府軍と戦い、
最後は若松城での籠城の末に敗れるという歴史を今でも引きずっているということだ。

 

◆ジャン・バティスト・グルーズの「腕を組む少女」

 1725年フランス生まれの画家。市民生活に題材を描いた風俗画を多く残した。
「腕を組む少女」は、作中では年収700ポンドとされるモリアーティ教授の
書斎に4000ポンドはするこの絵が飾られており、そのための金は、
犯罪組織から入手したものだと桑原に紹介されている。

 

◆エドガー・アラン・ポー

 1809年アメリカ・マサチューセッツ州生まれの小説家。
「アッシャー家の崩壊」「黒猫」のような恐怖小説を描く一方、
世界初の推理小説と言われる「モルグ街の殺人」を著した。また、
「モルグ街の殺人」に探偵役で登場したC・オーギュスト・デュパンは
その後の推理小説に登場する探偵の原型となったとされる。作中では、
エドガー・アラン・ポーの時代から「ランダムな記号をアルファベットに置き換えて
暗号を作成する」という手法が存在していると、桑原が紹介する。おそらくは、
ポーの小説で、暗号が重要な役割を果たす「黄金虫」を念頭に置いていると思われる。

 

◆風の又三郎

 1934年に発表された宮沢賢治の短編小説。村の小学校に転校してきた不思議な
少年を巡る物語。物語の冒頭が「どっどど どどうど どどうど どどう」で
始まる。作中では、ホームズの謎が解けたと話す桑原に
「ど、どういうことですか?」と聞く奈々に対して、「きみはさっきからどーどー、
とまるで風の又三郎みたいだな」と冗談めかして返答するシーンが登場する。

 

◆ペヨーテ

 サボテン科ウバタマサボテン属の植物で、とげのないサボテン。
アメリカ合衆国南西部からメキシコ中部にかけて分布する。和名は、ウバタマ。
日本では法的に麻薬とされている幻覚作用のあるメスカリンを含んでおり、
ネイティブ・アメリカンによって古くから用いられてきた。
作中では、杉が外国人から合法ドラッグだから安心だと言われて服用していた
薬物がこれだった。

ペヨーテ
「ペヨーテ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年10月25日 6:45 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆ベイカー・ストリート・スモーカーズのメンバー殺人事件について

 作中では、坂巻晃司、堀田総次郎、そして過去には築地夏代が殺されているが、
基本的には、杉が我を忘れて何かをしでかし、その後始末を実は妹であった
阿光美里がして回ったという構図。

 まず、坂巻殺人では、杉が常時携帯していた
エピネフリン=アドレナリンを坂巻に注射し意識を失った(この時点で死亡?)
ところへ、阿光が包丁で刺して血を流してかく乱した。

 堀田の事件では、杉はドラッグの力もあり、またしても理性を失ってしまい、
堀田を刺殺し、踊る人形でsを描こうとした堀田の身体を動かし、
Mになるように工作をした。(緑川に容疑を着せるため)
しかし、助けにくるはずの阿光はそのころ交通違反で捕まっていたため、
フォローすることができなかった。

 一番最初の事件、築地夏代殺害事件では元々、杉と阿光とで彼女のマンションを
訪問し(杉は一人で行ったと認識だが)、激高した杉が築地を殴り、彼女は
本棚に後頭部を打ち付けて倒れた。その後、正気を失った杉の代わりに、
阿光が築地を自殺に見せかけるためにベランダから落とした。

 

◆殺人の動機は?

 最初の、築地夏代殺害については、ホームズ=モリアーティ説を築地が主張した
事に加えて、阿光とは実の兄妹だと知っていた築地がそのことを話そうとしたことが、
妹は死んだものと思い込んでいる杉の神経を刺激したことが原因。

 次の、坂巻殺人については、ベイカー・ストリート・スモーカーズの謎の会員であった
辻名季津世の正体が杉であると坂巻が気付いたことが動機であり、
その後の堀田殺害も同様である。

 

◆辻名季津世の正体とは?

 前項の通り、辻名の正体は作中で当初言われていたような築地夏代ではなく、
杉泰輔である。辻名=築地説は、辻名季津世を「つじなきつよ」と読んだ場合に、
アナグラムで「つきじなつよ」と読めることから出てきた説である。しかし、
実際には、「きつせ」と読むことからアナグラムにならない。 
 正解は、五十音表で「すぎたいすけ」の文字の左隣を同じ順番で拾うと、
「つじなきつせ」となる。坂巻が握っていた「さした」というメモは
上記を検証しようとした五十音表の一部であった。

 

◆シャーロック・ホームズの謎

 作中で桑原が(そして築地夏代)が指摘した説は、
シャーロック・ホームズ=モリアーティ教授というもの。
 元々、桑原はホームズがライヘンバッハ以降、すなわち、「空き家事件」
で復帰したホームズが以前とあまりにも性格が異なることをしていた。
(ex.コカイン中毒からの脱出、依頼人を洗礼名で呼ぶ、仕事をするときに食事を
控えたりなど)
 桑原は、前期のホームズはコカインによって、ジキル博士とハイド氏のように
人格が分裂しており、表側の面がホームズであり、裏側がモリアーティ教授で
あったと主張した。ホームズとモリアーティが一緒にいるところを見た人間は
誰一人いないし、ワトソンはモリアーティに会ったことすらない。直接会ったことがある
のは若手のマクドナルド警部ただ一人だが、その際には顔が影になっていた。


 上記のように仮定すると、三日待てばモリアーティ一味を一網打尽にできると
言う状況で、かつ「ぼくがいないとあっては、彼と太刀打ちできるものはだれもいない」
状況でホームズはロンドンを離れたという不可解な行動の説明が付くとした。

 以上から、ホームズ=モリアーティであり、ロンドンを離れてライヘンバッハまで
出かけて行った理由は、モリアーティもろとも自殺をするためだった。
(ワトソンはやがてホームズ=モリアーティに気づいたため、あえてライヘンバッハでの
事件について虚偽の記載をしたのだ)

 それでは、後期のホームズは誰だったのか?桑原は、ホームズの肖像画を描いた
シドニー・バジットの弟で、ホームズとそっくりであったとされる
ウォルター・バジットであるとした。
(この主張が杉及び杉の記憶の中の妹の考えと大きく隔たっていたため、
この話を桑原から聞かされた杉は激高したのだ)


 

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