※この記事では、角川文庫版の上巻のみについて記述しています。
調べたくなる言葉
◆キュベレ教団
キュベレは、アナトリアのフリギアで崇拝されていた大地母神で、
ギリシャ、ローマでも崇拝されていた。名前は「知識の保護者」を意味する。
作中では、刺青の目的について語るマラークが、変化を目的として、
この教団の神官が刺青を彫っていたと紹介する。
「キュベレー」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年1月13日 13:42 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ピラネージの銅版画、サヴォナローラの椅子、ブガリーニの銀のオイルランプ
全て、マラークの自宅を彩る品物。
ピラネージは、フルネームをジョヴァンニ・バッティスラ・ピラネージといい、
1720年イタリア・ヴェネツィア出身の芸術家で、ローマの景観を描いた版画で知られる。
「Giovanni Battista Piranesi」『Wikipedia, the free encyclopedia』より
「The Colosseum, etching, 1757」
29 March 2019, at 00:49 (UTC) URL : https://en.wikipedia.org
サヴォナローラの椅子は、15世紀の修道士サヴォナローラが愛用したことから
名付けられた椅子で、ひじ掛け部分と脚がX字を成すことが特徴。
「X-chair」『Wikipedia, the free encyclopedia』
10 August 2018, at 21:12 (UTC) URL : https://en.wikipedia.org
◆ヴェルディの「レクイエム」
ジュゼッペ・フォルトゥニーノ・フランチェスコ・ヴェルディは、
1813年イタリア・パルマ生まれの作曲家。ロマン派に属し、
主にオペラ作品を残した。代表作に「椿姫」「アイーダ」など。
「レクイエム」は、1874年に初演されたカトリックのミサ曲でで、
イタリアの文豪アレッサンドロ・マンゾーニを追悼する目的で作曲された。
作中でマラークが聴いていた「ルクス・エテルナ」は6曲目、
「デイエス・イレ」は2曲目。
◆ジェファーソン記念館
第三代大統領、トーマス・ジェファーソンを記念して1943年に建立された建物。
作中では、アメリカのパンテオンと呼ばれているとラングドンが紹介する。
「ジェファーソン記念館」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年2月7日 11:37 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆リンカーン記念館
第十六代大統領エイブラハム・リンカーンを記念した建物で1922年に完成。
作中では、古代アテネのパルテノン神殿を思わせるとラングドンは語る。
「リンカーン記念堂」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年10月11日 00:54 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ワシントン記念塔
初代大統領ジョージ・ワシントンの功績を讃えて建築された記念塔で、
巨大な白いオベリスクである。高さは169m。
作中では、アメリカにあるエジプトのオベリスク、とラングドンは語る。
「ワシントン記念塔」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年12月21日 09:16 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆国立彫像ホール
アメリカ連邦議会議事堂内にあり、元々は下院議場であった空間で、
1864年以降、全米各州の著名人の彫像が展示されている。
(彫像は各州から寄贈される)
作中では、ラングドンが、ピーター・ソロモンの秘書を名乗る人物から、
ここで講演することを依頼された。
「国立彫像ホール・コレクション」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年2月6日 12:53 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆アメリカ連邦議会議事堂
初代議事堂建築監ウィリアム・ソーントンの設計で1793年に建設開始され、
1800年に上院側が、1811年に下院側が完成。高さ88m、直径29mの
ドームが特徴的な新古典主義の様式で建てられた建築物。
「アメリカ合衆国議会議事堂」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年11月10日 14:08 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ヘンリー・ウィルソン副大統領
1812年アメリカ・ハンプシャー州生まれの政治家。共和党に所属し、
マサチューセッツ州選出の上院議員及び第十八代アメリカ合衆国副大統領
を務めた(その時の大統領はグラント大統領)。作中で彼に、
「肺炎による死をもたらした”人殺しの浴槽”」と紹介されているように、
現役中に、議事堂内で死亡した。
◆ジョン・アレクザンダー・ローガン将軍
1826年アメリカ・イリノイ州生まれの軍人・政治家。軍人としては、
米墨戦争では少尉、南北戦争では、北軍の将軍を務めた。
政治家としては、イリノイ州選出の下院議員、上院議員を務め、
副大統領候補にもなった。
作中で、1930年代に彼の馬のミイラが議事堂の地下室で発見されたとあるが、
彼が死去したのは1886年のため、約50年も先。
◆フリーメーソンの正装に身を包んだジョージ・ワシントンの壁画
作中では、ラングドンの講義でワシントD.C.に秘密や隠された歴史が満ちていると
説明した講義で、スライドに使われた。
◆イースタン・スター
一言でいえば、女性版のフリーメイソン(フリーメイソン自体には女性は入会できない)。
別名はペチコート・メイソン。主にフリーメイソン会員の妻や娘等親族が入会。
FATAL STARと呼ばれる逆さ五芒星の紋章が使われる。
「Order of the Eastern Star」『Wikipedia, the free encyclopedia』
25 April 2019, at 4:07 (UTC) URL : https://en.wikipedia.org
◆上のごとく、下もしかり
エメラルド・タブレットという、現存しない碑文に記されていたテキストの一部。
錬金術の守護神、ヘルメス・トリスメギストスによって、
錬金術の12の奥義が記されているされる。「上のごとく、下もしかり」は、
作中では、「天と地の物理的なつながりを信じる」と説明されている。
◆ハイゼンベルク
ヴェルナー・カール・ハイゼンベルクは1901年ドイツ・ヴュルツブルク
生まれの理論物理学者。量子力学の分野で功績を残し、
1932年にはノーベル物理学賞を受賞している。作中では、キャサリン・ソロモンの
「自分の意志のみによって粒子が現れたり消えたりする」という研究の正しさを、
数十年前にハイゼンベルクが示唆したとされている。
◆リン・マクタガート
1951年アメリカ・ニューヨーク生まれの医療ジャーナリスト。
作中では、「活動している意識は、存在の可能性があるものを実際に存在するもの
へと変えるなんらかの力を持っている」という彼女の言葉が紹介されている。
◆バガヴァッド・ギーター
ヒンドゥー教の聖典の一つ。サンスクリット語でバガヴァッドは、クリシュナ神を
指し、ギーターは詩を意味することから、「神の詩」という意味を持つ。
パーンダヴァ族の王子アルジュナは、クリシュナ神が語り合う歌集。作品中で、
戦争の場での人殺しをすることの是非について悩むアルジュナに対して、
クリシュナ神は自らの義務を遂行することを勧めるという一節が有名。
グプタ朝期に叙事詩マハーバーラタに取り込まれ、重要な部分を成している。
作中では、現代の極性の考え方はこの書物で、クリシュナが説く”二元世界”と
なんら変わりがない、とピーターがキャサリンに説く場面が登場する。
◆完本ゾーハル
13世紀にスペインのラビ、モーシェ・デ・レオンが著した書物で、
セフィロトの木や様々な神秘思想について語られているため、
ユダヤ教の神秘思想(カバラ)の中心となっている。「光輝の書」という意味。
作中では、ピーターによって、現代の超弦理論で推論された十次元の宇宙が、
昔の神秘主義者が知っていたことをキャサリンに示すために用いられた。
◆モルモン書
1827年ジョセフ・スミス・ジュニアが、最後の預言者モロナイから、
存在を告げられた黄金の板に記されていた文書であり、彼は、
ニューヨーク州ウェイン郡にある丘からそれを掘り出したとされる。
内容は、聖書とは別の、イエス・キリストに関する物語であるとされ、
この書を信仰するキリスト教系の新宗教を末日聖徒イエス・キリスト教会
(通称モルモン教)と言う。作中では、ラングドンが、「ある考えが広く
受け入れられているからといって、それが真実である証拠にはならない」と
主張する一材料に使っている。
◆ウェスタ神殿
古代ローマの中心部、フォロロマーノにあった建造物で、
かまどの女神ウェスタ(ギリシャ神話のヘスティアーと同一視される)を
祀る神殿。作中ではラングドンが、連邦議会議事堂のロタンダが、
この神殿を讃えて設計したと語る。
「ウェスタ神殿」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年7月30日 18:17 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ジ・アポテオシス・オブ・ワシントン ”ワシントンの神格化”
アメリカ合衆国連邦議会議事堂のロタンダの天蓋に描かれているフレスコ画。
1865年にイタリア生まれの画家コンスタンティノ・ブルミディによって
描かれた作品。作中で紹介されているように、「ローブを身につけたワシントンが
十三人の乙女に付き添われて、人間界の上の雲に上っている」場面が表されている。
(十三人は独立当時のアメリカ合衆国の十三州を表している)
また、同じく作中では「ベンジャミン・フランクリン、ロバート・フルトン、
サミュエル・モース」らが外周部に描かれていると紹介されている。
「アメリカ合衆国議会議事堂」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年11月10日 14:08 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆ジョージ・ワシントンのゼウス
ホレイショ・グリーノーによって、1840年に制作された大理石の像で、
作中で、ラングドンによって紹介されているように、神格化後のワシントンを、
ゼウスとして描写した作品。かつては、連邦議会議事堂のロタンダに置かれていた。
「George Washington (Greenough)」『Wikipedia, the free encyclopedia』
8 March 2019, at 8:55 (UTC) URL : https://en.wikipedia.org
◆”善”対”悪”の原始の戦い
作中で例示されている、マーリンと妖姫モルガンは「アーサー王物語」、
聖ジョージと龍は「聖ゲオルギウスの伝説」が、ダヴィデとゴリアテは
「旧約聖書のサムエル記」が、白雪姫と魔女はグリム童話の「白雪姫」が、
そしてルーク・スカイウォーカーとダース・ベイダーの戦いは、
映画「スター・ウォーズ」がそれぞれ元ネタとなっている。
◆王の剣
アーサー王物語に登場する剣で、石に刺さったこの剣を抜くことができるのは
ブリテン王の正統なる後継者のみであるとされ、アーサーはそれを成し遂げることで
王位に就く。剣の名はエクスカリバーである。
作中では、フリーメーソンのピラミッドと同じように、「いつの世でも、
伝説の宝は相手の資格を試すことで守られている」という論の一例として、
ラングドンがこの剣を引き合いに出している。
以下、中巻へ続く。
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