「インシテミル」の謎・ネタバレ

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ストーリー上の謎、ネタバレ

◆岩井のその後

 自分が赤信号で交差点に踏み入ったことに気づいていない

 という終わり方からすると、残念ながらこの後 、トラックか何かが……

◆須和名が参加した理由とは何だったのか?

 作中に一本滞っているため、という描写あり。
また、Day+6では、同じような「興行」を計画しており、
敵情視察に来た同業者という側面が述べられている。
では、一本とはいくらだったのか。

 いくら須和名家が資金を必要としているといっても、
<暗鬼館>で得られる程度の額がどうにもならないほどに、
落ちぶれたわけではない

 という記述からすると、関水の一本とは少なくともゼロが1つか2つ、
あるいは3つほど違っていたのだと思う。

◆関水が10億円必要だった理由とは何か?

 本文中の一本滞っている、という記述からすると、
単純に借金かと思う。ただ、そうだとすると、以下記述が気になる。
(何をしたらその額の借金ができるのかというのも気になるが)

「あたしが、ここで十億稼がないと……。みんな、死んじゃう。
何人も、何人も……」

 作中にはこれ以上の言及がない為、推測に成らざるを得ない。

・某製紙会社社長のように、ギャンブルで10億の借金を背負った。
また、関水は某製紙会社ほどではないにしても、
それなりの規模の会社を経営しており、10億円が返せないと会社が潰れ、
従業員が路頭に迷ってしまう。
⇒「少年ではなく少女だった」と表現される関水の年齢と合わないし、
路頭に迷うから、「みんな、死んじゃう」とするのは無理が有り過ぎる

・家族を人質に取られており、10億の身代金を要求されている
⇒何人も、何人もという記述とそぐわない気がする

・関水は実は極貧の某国人であり、国家の命運を託されてこの実験に参加した。
10億円ないと母国で餓死者が何人も発生してしまう。
⇒別にこれでもいいけど、かなり荒唐無稽か

 以上のような要因が推測できる。

 

調べたくなる言葉

◆タイトル:インシテミル

 本文中に、「淫してみた」とある。
淫するとはデジタル大辞泉によると、

 (多く「…に淫する」の形で)度が過ぎる。度を過ごして熱中する。ふける。
「酒色に―・する」「読書に―・する」

 度が過ぎる。まさに。
 また、単行本版の表紙に「The incite mill」という表記あり、
ダブルミーニングとなっている。
意味としてはincite=煽り立てる、駆り立てるなど、
mill=名詞としては工場、ひき臼など。
直訳で煽り立てる工場、ひき臼。
暗鬼館自体が(殺人を)煽る舞台装置ということかもしれない。
ただ、「mill」には俗語で100万ドルという意味もあり、
その意味で捉えると、(殺人に)駆り立てる大金(100万ドル)と解釈でき、
それはそれで関水の動機を考えると、しっくりくる。

◆チャールズ・ブロンソン

 アメリカの俳優。「荒野の七人」や「大脱走」に出演。
日本ではマンダムのCM「う~ん、マンダム」で有名。

 

 

◆暗鬼館

 暗鬼とは、デジタル大辞泉によると以下の通り。

《暗がりの中に見える鬼の意から》妄想からひき起こされる恐れや疑い。
「疑心暗鬼」

 モニター同士を疑心暗鬼にさせる館、
あるいは、
暗い照明、奇妙に湾曲した回廊によって、
先の見通せないその構造から、
物理的に鬼が出てくるかもしれない恐怖を与える館と言えるかもしれない。

◆アンキパン

 ドラえもんのひみつ道具の一つ。
見た目は食パン。
ノートなどの文章に押し付けるとそのページが写され、
食べると内容を暗記できる。
1ページ暗記するのにパン1枚食べる必要があるので結構大変。

◆12人のネイティブアメリカン人形

 マザーグースに10人のインディアンという童謡がある。
内容としては、10人から1人ずついなくなっていき、
最後には誰もいなくなってしまうというもの。
ミステリの世界ではこの童謡を題材にした
アガサ・クリスティの作品、
「そして誰もいなくなった」が有名

◆火かき棒を「曲げ、そして戻す」とはどういうことか?

 シャーロック・ホームズシリーズの「まだらの紐」に、
ある人物がホームズへの威嚇のために、火かき棒を曲げて見せ、
その人物が立ち去った後で、ホームズが元に戻すという描写がある。

◆フールスカップ紙

 フールスカップとはfoolscap、すなわち道化師の帽子を指す。
道化師帽が透かしに入っていたことが由来。
シャーロック・ホームズシリーズにしばしば登場。
現在では、紙のサイズを定めたイギリス標準規格名ともなっている。
サイズは13.25インチ×16.5インチ(342.9mm×419.1mm)

◆十戒

 モーセの十戒、ではない。もちろん。
ここでの十戒とはイギリスの推理作家、
ロナルド・ノックスが1928年に発表した
推理小説を書く際のルールのこと(=ノックスの十戒)
内容は本作中にそのまま記載されている。

◆Tremendous Trifles

 邦題は「棒大なる針小」
イギリスの作家、G・K・チェスタトンの文学論、随筆集。
チェスタトンは、推理小説「ブラウン神父」シリーズの作者でもある。

◆『ヴァン・ダインです』

 衝撃の一言、衝撃のラストの通称で知られる
ミステリー界では有名なセリフ。
読者に、認識を根底からひっくり返す
コペルニクス的転回をもたらした一言。
他作品のネタバレのため、これ以上の詳細は避けますが、
詳細は知りたい方は↓を反転ください。 
「十角館の殺人」(綾辻行人)

 

 

<参考図書>

 

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