「涼宮ハルヒの暴走」の謎・ネタバレ

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本作は「涼宮ハルヒ」シリーズの第5作目。
エンドレスエイトは、キョンとハルヒが高校1年生8月の、
射手座の日は11月下旬、雪山症候群は12月の出来事が描かれている。

調べたくなる言葉

◆バルザック

 オノレ・ド・バルザックは、1799年生まれの19世紀フランスを代表する小説家。
作中でキョンが「この世のさらなる無常を感じ、バルザック的に自らを嘆いた」
というシーンが登場する。このシーンは、キョンが漕ぐ自転車にはハルヒと長門の
二人が乗っており、息も絶え絶えであるのに対し、古泉が漕ぐ自転車にはみくるが
乗って如何にも爽やかな様子で描かれている。バルザックは、人間の生活を極めて
写実的に描いた人であるだけに、キョンは古泉との、高校生ではありがちな、
境遇の違いをバルザック的と表現して嘆いたのかもしれない。
代表作に「ゴリオ爺さん」「谷間の百合」など。

 

◆タンキニ

 タンキニとは、上下に分かれたセパレートタイプの水着の一種で、
タンクトップとビキニを組み合わせた言葉。

 

◆フーダニット

 作中では、朝比奈みくるが作ったサンドイッチの美味しさは、5W1Hのうち、
フーダニットによる部分が最も重要であるとキョンは語る。
元々は、ミステリ小説用語で、誰が犯人か?(Who done it?)を当てることに
主題を置いた作品のことを言う。

 

◆光の国出身の銀色宇宙人

 長門が縁日で購入したお面がこの宇宙人のものだったとキョンは語る。
光の国出身の宇宙人と言えば、ウルトラマンである。ウルトラマンは、
1966年にシリーズ一作目が放映開始された巨大変身ヒーロー劇であり、
ウルトラマンはその主人公。

 

◆ペルシダーかマーズアタックか

 ペルシダー・シリーズは、アメリカの小説家エドガー・ライス・バローズによる
SF小説シリーズ。地球の地下に空洞があると設定で、主人公のデヴィット・イネスが
地底世界ペルシダーを冒険する。
 マーズアタックは、1996年のアメリカ映画で、ティム・バートン監督による
SFコメディ。火星人襲来にあたふたする人類の様子がコミカルに描かれている。
 火星人はいないかと火星を天体望遠鏡を眺めるハルヒが、
地表には誰もいないみたいだし、きっと地下の大空洞でひっそり暮らしている人種
ではと言ったのに対して、キョンがどっちかにしてくれと両作品を引き合いに出す。

 

◆虎が溶けてバターになる

 時間が何度も繰り返していたことを知ったキョンは、「時間は虎が溶けてバターに
なるほどのメリーゴーラウンド状になっていた」と表現した。
 元ネタは、スコットランド人の軍医、ヘレン・バナマンが自分の子供たち
のために描いた絵本「ちびくろサンボ」。作中で、主人公の少年サンボは、
虎たちに洋服などを奪われてしまうが、虎たちは奪ったものを奪い合って
木の周りをぐるぐる回り、バターになってしまうという描写がある。

 

◆種子島三段撃ちに立ち向かう武田騎馬軍団

 作中で、コンピ研艦隊に突撃あるのみと主張するハルヒに対し、キョンは
本項目名のようにズタボロにされるのは解かり切っていると考えた。
 元ネタは、織田・徳川連合軍と武田軍が激突した長篠の合戦。精強で名高い
武田の騎馬軍団に対し、信長は3000丁の火縄銃(種子島)を3隊に分け、
交代で発砲する作戦で迎え撃ち、これを破った。火縄銃は、一発撃つと
弾込めに時間がかかるという弱点があったが、それをカバーする戦術であった。

 

◆旧日本海軍がレイテ沖で米軍に完勝を納める確率よりもなおも低い

 キョンはSOS団がコンピ研に勝利する確率を本項のように見積もった。
レイテ沖海戦は1944年10月に日本海軍とアメリカ海軍との間で戦われた海戦。
フィリピン近海でのこの海戦は、フィリピン奪回を目指して侵攻するアメリカ海軍を
日本海軍が迎え撃つ形で行われ、アメリカ海軍が勝利。日本海軍はこの敗戦で、
戦艦・武蔵や航空母艦・瑞鶴など多くの戦力を失った。

 

◆デカルト

 SOS団をとりまく何もかもが間違っており、唯一正常なのは、自分が確かに存在
しているというこの俺の意識のみである。いやまったくデカルト様々だと
キョンは独白する。デカルトとは、フランスの哲学者ルネ・デカルトのことで、
彼が主張した「我思う故に我あり」をベースにした独白と思われる。

 

◆チェレンコフ放射

 超能力者である古泉が、超能力者を探し求めるハルヒの近くにいることは
いつチェレンコフ放射を始めるか予測不能な放射性物質の近所にいるようなもの
とキョンは表現している。チェレンコフ放射とは、1934年にソ連の物理学者、
パーヴェル・チェレンコフが発見した物理現象で、荷電粒子が物質中を運動する際、
荷電粒子がその物質中の光速より速い場合に光が出る現象。有名なのは、
原子力施設の燃料プールに入った放射性物質から発せられる光がある。これは、
プールの水が光を減速させるが、電子は減速させないために発生する。

 

◆コンピ研の艦隊名について

 「ディエス・イラエ」(艦隊A)は、キリスト教における終末思想、
「怒りの日」を指すラテン語。
 「イクイノックス」(艦隊B)は、天球上で赤道と黄道が交わる「分点」を
指す。分点とは要は、春分と秋分のことである。
 「ルペルカリア」は、古代ローマの祭りの一つ、ルペルカリア祭を指すと思われる。
この祭りは、結婚の神ユノーと、豊穣の神マイアに捧げられた祭り。
 「ブラインドネス」は、英語で無知や向こう見ず、盲目などの意味がある単語だが、
その他に何かしらの意味があるかは不明。
 「ムスペルヘイム」は、北欧神話に登場する、世界の南の果てにある灼熱の
国の名前。

 

◆鶴翼陣形

 自軍の部隊を、向かってくる敵に対して左右に広く広げた陣形のことを言う。
単に横一線ではなく、両翼が敵に向かってややせり出しており、その形が
鶴が翼を広げた様子に見えることからこの名がついている。
 この陣形の狙いは、敵を包囲殲滅することにある。

 

◆雁音

 作中でみくるが入れる緑茶の名前。雁音は茶葉を選別する過程で発生した
葉脈や茎の部分のこと。茎特有の香りと甘味成分が多く含まれていることが特徴。

 

◆毒入りチョコレート事件

 鶴屋の別荘で行われる予定だった推理ゲームの進行について、キョンは
「おのおの持ち寄った推理を『毒入りチョコレート事件』的に順番に披露し」
と紹介している。「毒入りチョコレート事件」は、1929年にイギリスの推理小説家、
アントニー・バークリーが発表した推理小説。未解決の毒殺事件に対し、
探偵が順番に推理を披露する。

 

◆マリー・セレスト号

 一行がたどり着いた洋館が「まるで俺たちの到着と同時に全員が荷物をまとめて
出て行ったような雰囲気」だったのに対して、ハルヒはこの船のようだと言った。
 マリー・セレスト号は、19世紀の帆船で、まだ航行できる状態にも関わらず
無人の状態で発見された。詳細は「天使の囀り」の記事参照。

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆エンドレスエイトは何故発生した?

 ハルヒ自身が夏休み的行事をやり尽くしたつもりでいて、
何か物足りなさ、やり残した感を持っていたため発生。そのやり残しとは
「夏休みの宿題を最終日に友達と集まって片付ける」こと。
 宿題に苦しんだことのないハルヒには無縁でありながら、
密かに憧れていたということだと思う。

 

◆謎の洋館は何故発生した?

 情報統合思念体の長門の所属する勢力とは異なった考えを持つ勢力によって
発生した。目的はハルヒを異空間に閉じ込めること。その空間では
長門は情報統合思念体との接続を断たれ、彼女固有の能力しか発揮できなかったが
残された力でオイラーの定理を用いたパズルによる脱出口を開いた。

 

<次回作>

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