「涼宮ハルヒの退屈」の謎・ネタバレ

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本作は「涼宮ハルヒ」シリーズの第3作目。
「涼宮ハルヒの退屈」では、高校1年生の6月、
「笹の葉ラプソディ」「ミステリックサイン」「孤島症候群」では、
高校1年生の7月の出来事がそれぞれ描かれている

調べたくなる言葉

◆古代ギリシャじゃクジ引きで政治家選んでた

 古代ギリシャの都市国家、アテナイ(現在のアテネ)では、ほぼ全ての公職が
希望する市民のクジ引きで決定された。クジ引きは神の選択であると考えられたため。
作中では、草野球大会の打順、守備位置をクジ引きで決めると主張するハルヒが、
例として挙げた。

 

◆イアソンに裏切られた王女メデイア

 イアソンはギリシャ神話に登場する英雄の一人で、アルゴー船と呼ばれる
巨大な船で、黄金の羊の毛皮を探す冒険譚で知られる。メデイアは
毛皮の持ち主、コルキス王の王女。コルキス王はイアソンに毛皮を渡す気はなかったが、
メデイアはイアソンに一目惚れし、毛皮を手に入れる手助けをし、一緒にコルキス
を脱出するが、後にイアソンは彼女を裏切って他の女と結婚しようとする。
(その女はメデイアによって殺される)
作中では、草野球大会一回戦の初回、3番打者にホームランを打たれたハルヒが
メデイアのような目で彼を見つめていたと表現されている。

 

◆どこかの永世監督でももうちょっとましな采配をする

 三回表二死三塁、打者朝比奈みくるの場面でスクイズのサインを出すハルヒに
ついてキョンが思ったこと。「どこかの永世監督」とは、読売ジャイアンツの
「終身名誉監督」の長嶋茂雄氏を指すと思われる。氏は監督一年目でチーム創設以来
初の最下位になるなど、選手時代と比べて活躍できなかった。

 

◆いわゆる一つの

 作中で、キョンの妹がホームランを打った際に、キョンは「いわゆる一つの
ホームランというやつだ」と独白する。「いわゆる一つの」は前項の
長嶋茂雄終身名誉監督の口癖として知られる。

 

◆サッカーとアメフトって何人でやるスポーツ?

 野球大会後に持ってきた草大会のチラシを差し出しながらハルヒが言った言葉。
サッカーもアメフトも最低でも11人が必要。

 

◆古代エトルリア語、線型文字A

 作中で、長門が「タイトルすら読めないヒゲ文字の古くてやたら厚い魔術書」
を読むのを見たキョンが、古代エトルリア文字か何かで書かれているいるに
違いないと独白し、また、長門なら線型文字Aで書かれた碑文でも平気で読むだろう
とも語る。古代エトルリア語は、紀元前8世紀から紀元前1世紀にかけて
イタリア半島中部に存在した都市国家群で使われていた言葉。アンテナ、マーケット
などの言葉がエトルリア語由来とされる。
 線型文字Aは、紀元前18世紀から紀元前15世紀にかけて、クレタ島で
用いられていた文字。この記事の作成時点(2019年8月)では未解読

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「線文字A」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年1月27日 15:03 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ベガとアルタイル

 ベガはこと座のα星で、アラビア語で「急降下するワシ」を意味する。
日本では七夕の織姫星(織女星)と呼ばれる。作中であるように、地球から約25光年
の距離に位置する。アルタイルはわし座のα星で、アラビア語で「飛翔するワシ」
を意味する。日本では七夕の彦星(牽牛星)と呼ばれる。作中であるように、
地球から約16.7光年の距離に位置する。

 

◆特殊相対性理論

 ドイツ生まれの理論物理学者、アルベルト・アインシュタインが1905年に
発表した論文で提唱された物理学上の理論。光速度不変の原理(どのような慣性系
から観測しても光速度は一定)、共変性の原理(どの慣性系に対しても同じ物理法則が
成立する)から成る。その中で、作中でハルヒが偉そうに言いだしたように、
(正の質量を持つ物質は)「光の速さを超えてどっかにいくことはでき」ないと
説明される。

 

◆財政投融資

 作中で、キョンが織姫や彦星に願いが聞き遂げられる16年後や25年後に
願うこととして、年金制度や表題が破綻せずにちゃんと機能しているように
というのがせいぜいではないかと考える。財政投融資は、税制投融資特別会計国債など
日本国の信用を元に調達した資金を財源に、特殊法人等が事業を行い、
そこで得られる利益等を元に資金を回収するというスキームのこと。住宅金融支援機構や
国際協力機構、水資源機構など民間の資金を集めるのは難しいが、公共性がある
分野での事業へ投資、融資がされている。

 

◆ケーニヒスベルクの橋問題

 18世紀に当時プロイセンのケーニヒスベルクで提示された一筆書きの問題で、
この街を流れるプレーゲル川に架かる7つの橋を、同じ橋を二度渡らずに
全て渡り、同じ場所に戻ることができるかというもの。
当時の数学者、レオンハルト・オイラーによって、不可能と証明された。
作中で、ハルヒに配られた短冊に何を書くかについて、みくるはこの問題を
解こうかとするように困った顔をしていたとキョンは述懐する。


「一筆書き」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年7月8日 23:55 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆讃岐に流されたばかりの崇徳上皇

 崇徳天皇は第75代天皇で、1123年から1142年にかけて在位。1156年に、
皇位継承問題や摂関家内の内紛などが原因で勃発した保元の乱で敗れ、
讃岐へ配流され、そこで亡くなった。このことを上皇は大いに怨み、
大怨霊となったと伝えられる。作中では、七夕後に妙にテンションが低く、
おとなしいハルヒを見たキョンが、表題のころの崇徳上皇もこんな感じだったのでは
と述べるシーンが登場する。

 

◆シュメール文字

 作中で、キョンが長門から渡された短冊には意味不明な幾何学模様が描かれていた。
それをキョンは、シュメール文字か何かか?と反応する。シュメールは、
初期のメソポタミア文明を築いた民族であり、チグリス川とユーフラテス川の
間の地域で栄えた。シュメール文字は、紀元前3200年ごろから使われていた
世界最古レベルの文字で、粘土板に葦を削ったペンで記述された楔形文字。

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「楔形文字」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年6月1日 8:49 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆エニグマ

 前項の短冊に描かれた模様について、キョンはエニグマに読み込ませても
解読できそうにないと述懐する。エニグマとは、正確には暗号を解読する機械ではなく、
第二次世界大戦時に、ナチス・ドイツが用いていたローター式暗号機のこと。
戦争開始当初は連合国側は暗号解読が出来ずにいたが、後半にはイギリスの数学者、
アラン・チューリングによって即時に解読できるようになっていた。連合国側は
それを公開しなかったため、ドイツは終戦まで解読されていることに気付かなかった。

 

◆カマドウマ

 バッタ目カマドウマ科に分類される昆虫。暗いところ、湿ったところを
好む性質を持つため、人家ではトイレでよく見かけられる。
そのため、便所コオロギなどと呼ばれ気味悪がられてしまう可哀そうな存在。
作中では、コンピ研部長の嫌う(恐れる)対象であったため、半覚醒した
滅亡した情報生命体の生き残りが、部長の脳を使って具現化したときに登場。

 

◆徐福が蓬莱山に到達していたとしても

 作中で、夏服メイド姿の朝比奈みくるを褒める形容詞としてキョンが引用。
(「朝比奈さんの笑みに勝る万能薬はたとえ~入手できなかったことでしょう」)
徐福は、中国・秦の時代の人物で、始皇帝に対し「東方の三神山に長生不老の霊薬
がある」と具申し、多くの人々と財宝を載せた船で東方に旅立ったが
戻らなかったとされる。三神山とは、蓬莱、方丈、瀛洲のこと。ちなみに
瀛洲(えいしゅう)は日本のことを指す。

 

◆摩周湖の透明度よりも澄み切り

 前項と同じく、キョンが朝比奈みくるを褒めちぎる形容。
摩周湖は北海道の弟子屈町にある湖で、世界で2番目に透明度が高いとされる。

 

◆小鳥を前にした聖フランチェスコのような熱意

 前項、前々項のような形容でみくるを褒めちぎったキョンが、
本項目のような熱意をもって、実際に言葉にしようとした。
 聖フランチェスコは、アッシジのフランチェスコとして知られる12世紀生まれの
人物。裕福な生まれでありながら、無所有と清貧を主張し、托鉢修道会と
呼ばれるフランチェスコ会を創始した。彼は、作中にあるような
小鳥だけでなく、狼やうさぎ、魚、コオロギ、セミなどに話しかけたとされる。

 

◆盂蘭盆会

 作中で、ハルヒから夏と言えばと問われ、みくるが答えた行事。
旧暦の7月15日を中心に行われる仏教の行事で、父母や祖霊の供養が行われる。

 

◆十五少年漂流記

 作中で、絶海の孤島へ行くとハルヒから聞かされたキョンが、
夏休みの課題図書にこの作品があるとは聞いていないが、何を読んだら
そんなことを言いだせるのかと訝しむ。十五少年漂流記は、
フランスの小説家、ジュール・ヴェルヌが1888年に発表した少年向け冒険小説。
無人島に漂着した少年たちが力を合わせて生き抜いていく様が描かれている。

 

◆ロビンソン・クルーソーのジュブナイル

 ロビンソン・クルーソーは、18世紀イギリスの小説家、ダニエル・デフォーが
著した冒険小説シリーズの主人公。1719年に第1作「ロビンソン・クルーソーの
生涯と奇しくも驚くべき冒険」が発表されている。この作品では、
船乗りのロビンソンが無人島に漂着し、生活を築き、最後には脱出するまでが
描かれている。作中では、キョンが古泉から、夏休みに向かう島の話を聞いて、
ロビンソン・クルーソーのジュブナイルを読んだことを思い出した。

 

◆ツチノコ

 日本に生息すると言われる未確認生物。蛇のような生物だが、
普通の蛇に比べて胴部分が膨らんでいるのが特徴。1970年代には、
ツチノコ探しがブームとなり、賞金が掛けられる事態にまで至った。
作中では、何故海での合宿を提案したのかとキョンに問われた古泉は、
山でツチノコを探すのとどっちが良かったかと問い返した。


「ツチノコ」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年7月8日 7:48 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆比婆山脈

 前項で、山へ行くことも検討していたハルヒが第一候補としていたと
予想される場所。中国山地中部、広島と島根の間に連なる山系。この山系の
中心、比婆山(標高1264m)は、古事記において伊弉諾尊が葬られた地とされる。

 

◆パノラマ島

 これから向かう島が不思議な島だと主張するハルヒに対してキョンは、
「俺たちが向かうのはパノラマ島か何かか?」と訝しむ。パノラマ島は
江戸川乱歩の小説「パノラマ島奇譚」に登場する、奇妙な建築物が並ぶ島。
詳細は「暗黒館の殺人」の記事参照。

 

◆黒死館とか斜め屋敷とかリラ荘とか纐纈城とか

 作中で、ハルヒが訪れた別荘について、本項のような名前が付いていないのかと
聞くシーンが登場する。これらは全てミステリー小説で殺人事件の舞台となった
建物の名前。黒死館は、1935年に小栗虫太郎が発表した「黒死館殺人事件」、
斜め屋敷は、1982年に島田荘司が発表した「斜め屋敷の犯罪」の、
リラ荘は、1968年に鮎川哲也が発表した「リラ荘殺人事件」の、
纐纈城は、1925年から26年にかけて国枝史郎が連載した未完の作品
「神州纐纈城」の、それぞれ舞台となっている。

 

◆古代人のドルメン

 ドルメンは日本語では、支石墓といい、世界各地で見られる巨石墓の一種。
支柱となる石を墓の周りに並べ、その上に巨大な天井石を乗せている。
 作中では、キョンの妄想の中で殺人鬼と化した多丸圭一は、島の森の奥の
古代人のドルメンに封じ込められた太古の悪霊に取りつかれたのだとされた。


「支石墓」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2019年8月12日 1:27 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆アポロン神殿

 作中で、ハルヒが「アポロン神殿に貢ぎ物を捧げたとしても
太陽は立ち止まってくれたりしない」と語るように、アポロンはギリシャ神話に
登場する男神で、特にローマ時代以降は太陽神とされた。

 

◆俺の脳味噌も伊達に灰色をしていなかったらしい

 作中で、孤島で起こった事件の全貌を明かしたキョンが独白した言葉。
おそらく「灰色の脳細胞」を持つとされた名探偵エルキュール・ポアロから
きた言葉と思われる。エルキュール・ポアロは、イギリスの推理小説家
アガサ・クリスティの作品に登場する。

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆「涼宮ハルヒの退屈」において、閉鎖空間発生の理由

 試合に負けていたフラストレーションで、とも言えるだろうが、
中でもクジ引きで決めた=神が決めた=ハルヒが決めた四番バッターである
キョンがそれらしい活躍を全くしていないことが大きな要因。

 

◆「笹の葉ラプソディ」において、3年前にキョンがしたこととは

 キョンは、みくるに連れられて3年前にタイムスリップし、当時、
中学1年のハルヒの手伝いをして、東中の校庭に謎の模様を描いた。
(意味は「私は、ここにいる」)その際、高校の制服を着ていたことから、
ハルヒが北高へ入るきっかけを作った。その後、長門によって、二人は
3年間時間の流れを凍結され、現在へ戻ってきた。

 

◆「ミステリックサイン」において、コンピ研部長氏が異空間に囚われてしまった理由とは

 ハルヒが作成したSOS団のシンボルマークは偶然にも
約436TBの情報量を持っており、その情報量によって約2億8000万年前に
地球へやってきていた一種の情報生命体を覚醒させた。そして、自宅PCから
SOS団のwebサイトを見てしまった部長氏を取り込んで「局地的非浸食性融合異時空間」
を発生させたのだ。ちなみに、この記事を作成している2019年8月においては、
個人用PCのHDDでも数TB級の容量を持つのは普通だが、本作が発表された
2003年12月においては、最大でも300GB程度であり、
436TBは途方もない数字であった。(参考Webサイト)
 また、相談者としてSOS団を訪問した喜緑江美里は、ラストで明らかになったように
コンピ研部長氏の彼女ではない。では、誰だったのか。本話時点では
明らかにされないが、彼女は長門と同じ、ヒューマノイド・インターフェイス。
 今回の出来事は、ハルヒの退屈を紛らわすため&古の情報生命体駆除を行うために
情報統合思念体が考えた作戦ではないかと推測する。

 

◆「孤島症候群」で古泉が仕掛けたこととは。また仕掛けたのはなぜか

 古泉がしたこととは「機関」のメンバーである、多丸兄弟、新川、森と諮って
殺人事件を演じた。わざわざそんなことを仕掛けた理由はひとえにハルヒを
退屈させないため、またハルヒの期待に応えるため。ハルヒの機嫌が悪くなり、
閉鎖空間を発生させ出すと仕事が増える彼らにとっては重要なことである。
ただし、事件自体は「機関」が仕掛けたことにしても、天候が急に悪化し、
クローズド・サークルが完成してしまったのはハルヒの仕業だろう。

 

◆キョンはなぜ古泉らが仕掛けた事件の真相に早々に気付いたのか

 作中で古泉の口から語られているように、本当は刑事役、鑑識役の
登場人物も出てくる予定であり、事件はまだまだ続くはずであった。にも関わらず、
キョンに真相を見破られたため、早めにハルヒに事実を明かすことになった。
 では、キョンはなぜ早期に気付いたのか。細かいことを言えば、
古泉が長門にした質問(死亡推定時刻ではなく体温を聞いたこと)や、ナイフの柄で
出来たはずのドアの傷が無いことや、新川、森両名が1週間前に雇われたばかりなのに
古泉は久しぶりと挨拶したことなどが挙げられるが、
 結局のところ、キョンはハルヒが本当に殺人事件が起こるのを望むはずは無いと
信じていたことが、殺人など起こるはずはないという考えに繋がったはずだと思う。

 

<次回作>

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