「ダンス・ダンス・ダンス」の謎・ネタバレ(2/4)

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※この記事は講談社文庫版の上巻の後半(15~24章)のみについて記述しています。
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調べたくなる言葉

◆スクルージ爺さん

 イギリスの作家、チャールズ・ディケンズの小説「クリスマス・キャロル」に
登場する、冷酷で、強欲な商人。
作中では、「僕」がユキを東京へ連れていくことになる場面で、ユニヨシさんとユキの
会話を聞いているうちに、スクルージ爺さんになったようだと感じた。

 

◆ケラワック

 ジャック・ケラワックは1922年アメリカ・マサチューセッツ州生まれの小説家、詩人。
ギンズバーグらと共に、ビートジェネレーションの代表的な作家とされる。
代表作は「路上」。

 

◆フォークナー「響きと怒り」

 ウィリアム・カスバート・フォークナーは1897年アメリカ・ミシシッピ州生まれの
小説家。ヘミングウェイ、フィッツジェラルドらと共に、ロストジェネレーションの
作家と呼ばれる。1949年度のノーベル文学賞受賞。代表作の「響きと怒り」は
アメリカ南部の特権階級が、崩壊していく過程を描いた長編小説。
作中では、「僕」が札幌で羽田行きの飛行機を待つ間に読んでいた。

 

◆ポパイ、ホットドッグ・プレス、オリーブ

 ポパイはマガジンハウスから発行されている都会の若い男性向けファッション誌で、
オリーブはその姉妹誌。ホットドッグ・プレスは、講談社がポパイに対抗するために
創刊した若者向け情報誌。作中では、春休みの渋谷が中学生、高校生で一杯であり、
上記雑誌が紹介する店で、役にも立たない雑貨を買っているとの「僕」の独白が登場。

 

◆ウェスト・コースト・ジャズ

 1950年代、アメリカ西海岸のロサンゼルスを中心とする地域で
演奏されていたジャズの総称。奏者は白人中心であり、西海岸の気候を反映した、
明るく健康的な演奏が特徴。作中では、「清潔な」と表現されている。

 

◆バロック音楽をあなたに

 かつてFM東京(現在のTOKYO FM)で放送されていたラジオ音楽番組。

 

◆エリオットの詩とカウント・ベイシーの演奏で有名な4月

 トマス・スターンズ・エリオットは1888年イギリス生まれの詩人。
1948年のノーベル文学賞受賞。その代表的な作品「荒地」は、
「四月は一番残酷な月だ」という書き出しで始まる。

ウィリアム・カウント・ベイシーは1904年アメリカ・ニュージャージー州生まれの
ジャズ・ピアニスト。その代表的なアルバムの名前が「April in Paris」。

 

◆エド・マクベインの「87分署」シリーズ

 エド・マクベインは1926年アメリカ・ニューヨーク生まれの推理小説作家。
87分署シリーズは代表作で、ニューヨークをモデルにした架空の都市を舞台に、
警察官の捜査から私生活までにを描いた警察小説。
約50年に渡ってシリーズは続いた。

 

◆カフカの「審判」

 フランツ・カフカは1883年現在のチェコ・プラハ生まれの小説家。
生前には作家として大きな名声を得ることは無かったが、
死後に発見された「城」や「審判」などが評価され、現在では、20世紀を代表する作家
という地位を得ている。「審判」は代表作の一つで、主人公ヨーゼフ・Kが、
よく分からないまま裁判を起こされ、無罪を勝ち取るためになんやかやの活動を行うが、
結局、よく分からないままに処刑されてしまうというあらすじ。
作中では、「僕」は偶然にも、警察に任意同行を求められる前夜に読んでいた。

 

 

◆アート・ファーマーのフリューゲル・ホーン

 アート・ファーマーは1928年アメリカ・アイオワ州出身のジャズ・トランペット奏者、
フリューゲル・ホーン奏者。フリューゲル・ホーンは金管楽器の一種で、
音域はトランペットやコルネットと同様だが、音色がやや太いことが特徴。

「フリューゲル・ホルン」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年11月23日 8:23 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ボーイ・ジョージ

 1961年イギリス・ロンドン生まれのミュージシャン。
ロックバンド、カルチャー・クラブのヴォーカル。
作中では、なぜか「僕」目の敵にされており、ネタにされるシーンが頻出する。

(ユキに警察は楽しかった?と聞かれ)「ボーイ・ジョージの唄と同じくらいひどかった」、
「音楽が聴きたいなあと思うと天上からボーイ・ジョージが二人の為に歌いかけてくれる」
「ボーイ・ジョージみたいな唄の下手なオカマの肥満児でもスターになれたんだ。努力がすべてだ」

 

◆樺美智子

 学生運動家で、1960年の安保闘争のデモで、国会付近で警官隊と衝突した際に死亡した。
作中では、牧村もその時国会の周りにいたというセリフがある。

 

◆ピカソの「オランダ風の花瓶と髭をはやした三人の騎士」

 牧村に「君は俺に何かを連想させる」と言われた際に、「僕」はこの絵だろうか?
と想像した。しかしながら、ピカソにこのような作品は存在しない。

 

◆作中に登場する音楽たち(基本的には登場順。主なもののみ)

・ユキを連れて東京に帰るまでに聴いた曲

■トーキング・ヘッズ
1974年に結成されたアメリカのロックバンド。ユキが着ているトレーナーに
書かれていたバンド名シリーズ。東京に帰るときに着ていた。
代表曲は「Psycho Killer」「Burning Down the House」など。

ここからは、最初に空港に向かうときに、「僕」が思い出していた、
「僕」が彼女の年頃だった当時聴いていた音楽。

■レイ・チャールズ「旅立てジャック」
1930年アメリカ・ジョージア州生まれの歌手、ピアニスト。
盲目というハンディを負いながら、ソウル・ミュージックの著名歌手の一人となった。
「旅立てジャック」は1961年のナンバー。

■リッキー・ネルソン「トラヴェリン・マン」
1940年アメリカ・ニュージャージー州生まれのミュージシャン。
ロック歌手、カントリー歌手の他、俳優としても活躍した。
「トラヴェリン・マン」は1961年発売のアルバム「Rick Is 21」に収録され、
シングルとして全米1位を記録した。

■ブレンダ・リー「オール・アローン・アム・アイ」
1944年アメリカ・ジョージア州生まれの女性歌手。1960年代のチャートトップの常連。
「オール・アローン・アム・アイ」は1962年のナンバー。

ここからは「僕」がユキを雪中のドライブへ連れ出した車内で聴いた曲。

■デヴィッド・ボウイ「チャイナ・ガール」
1947年イギリス生まれのミュージシャン。音楽プロデューサーや俳優としても活躍。
グラムロックの先駆けとして登場し、活躍。1985年、2017年のグラミー賞を受賞。
「チャイナ・ガール」は1983年のナンバー。

■ザ・ローリング・ストーンズ「ゴーイン・トゥー・ア・ゴーゴー」
ローリング・ストーンズは1962年イギリスで結成されたロックバンド。
「ゴーイン・トゥー・ア・ゴーゴー」は作中で「僕」が言っている通り、
1969年にスモーキー・ロビンソンとミラクルズが歌った楽曲で、
ストーンズがカバーしたのは1982年。

■ポール・マッカートニーとマイケル・ジャクソン「セイ・セイ・セイ」
1983年発売のポール・マッカートニーとマイケル・ジャクソンによるデュエット曲。

■サム・クック「ワンダフル・ワールド」
サム・クックは、1931年アメリカ・ミシシッピ州生まれのミュージシャンで、
ゴスペル、R&Bで活躍。
「ワンダフル・ワールド」は、1960年のナンバー。

■バディー・ホリー「オー・ボーイ」
バディー・ホリーは1936年アメリカ・テキサス生まれのミュージシャンで、
初期のロックンロール歌手。
「オー・ボーイ」は、1958年のナンバー。

■ボビー・ダーリン「ビヨンド・ザ・シー」
1936年アメリカ・ニューヨーク生まれの歌手、作曲家、俳優。
「ビヨンド・ザ・シー」は1958年のナンバー。

■エルヴィス・プレスリー「ハウンド・ドッグ」
1935年アメリカ・ミシシッピ州生まれのキング・オブ・ロックンロールと称される
大スター。「ハウンド・ドッグ」は、1956年の曲で11週連続全米No.1。

■チャック・ベリー「スイート・リトル・シックスティーン」
1926年アメリカ・ミズーリ州セントルイス生まれのミュージシャンで、
ロッ・クンロール創始者の一人。
「スイート・リトル・シックスティーン」は、1958年のナンバー。

■エディー・コクラン「サマータイム・ブルース」
1938年アメリカ・ミネソタ州生まれのロック・ミュージシャン。
21際の若さで事故死を遂げている。
代表曲でもある「サマータイム・ブルース」は、1958年のナンバー。

■エヴァリ・ブラザーズ「起きろよ、スージー」
1957年ドンとフィルのエヴァリ兄弟により結成されたデュオ。
「起きろよ、スージー」は1957年のナンバーで、全米1位を記録。

■デル・ヴァイキングズ「カム・ゴー・ウィズ・ミー」
1955年にアメリカで結成されたヴォーカル・グループ。
当時、空軍に属していたメンバーで結成。
「カム・ゴー・ウィズ・ミー」は1957年のナンバー。

■ジミー・ギルマー「シュガー・シャック」
ジミー・ギルマー&ファイアーボールズはアメリカのポップスバンド。
「シュガー・シャック」は1963年のヒット曲で、全米1位を記録。

■ビーチ・ボーイズ「サーフィンUSA」「ヘルプ・ミー・ロンダ」
1961年に結成されたアメリカのサーフロックバンド。
「サーフィンUSA」は1963年のナンバーで、チャック・ベリーの
「スイート・リトル・シックスティーン」の改作。
「ヘルプ・ミー・ロンダ」は1965年のナンバーで全米1位を記録。

■フォー・トップス「リーチアウト・アイル・ビー・ゼア」
1956年にアメリカで結成されたR&Bコーラスグループ。
「リーチアウト・アイル・ビー・ゼア」は1975年のナンバー。

・シャフトのテーマ
うちでラジオを聴いていた時に流れた曲。
1971年にアメリカで公開されたアクション映画「黒いジャガー」のテーマ曲。
全米1位を記録し、アカデミー賞歌曲賞を受賞。

・五反田くんの家で聴いていた音楽

■ボブ・ディラン「イッツ・オール・オーヴァー・ナウ、ベイビー・ブルー」「ハードレイン」
1941年アメリカ・ミネソタ州生まれのミュージシャン。1960年代以降、
長く活躍し、2016年にはノーベル文学賞を受賞。
「イッツ・オール~」は、1965年のナンバーで、5作目のアルバムに収録。
「ハードレイン」は1963年のナンバー。

・辻堂の牧村拓の家までにドライブで聴いていた音楽

■ボブ・マーリー「エキソダス」
ボブ・マーリーは1945年ジャマイカ生まれのレゲエ・ミュージシャン。レゲエの神様。
「エキソダス」は、1977年のナンバー。

■スティックス「ミスター・ロボット」
1963年アメリカ・シカゴで結成された、プログレ・ロック・バンド。
「ミスター・ロボット」は代表曲で、1983年のナンバー。

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