「悪の教典」の謎・ネタバレ(2/2)

広告




※上巻の記事についてはこちら

 

調べたくなる言葉

◆ストックホルム症候群

 誘拐や監禁の被害者が、長い時間を加害者と過ごすうちに、
心理的なつながりを築く現象を言う。
1973年にストックホルムで発生した銀行強盗立てこもり事件で、
人質が犯人に協力したり、犯人を庇う発言をするなどの現象が
見られたところから名づけられた。
作中では、蓮実教諭がカウンセラーの水落に迫る際に、引用された。

 

◆ラグラン袖

 ラグランスリーブとも。
袖の付け根が、襟から袖下にかけて斜めになっている袖のこと。
作中では、学年一の美少女、柏原亜里が「卒業」させられた日に着ていたTシャツ。


「ラグラン袖」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年7月24日 13:55 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ドリーム・シアター

 1985年にアメリカ・ボストンで結成されたプログレッシブ・メタルバンド。
メンバー全員が超絶技巧を身に付けていることで知られる。
作中では、蓼沼、泉、松井、芹沢で結成していたバンド、
ドレッド・シアターが主にコピーしているバンドとして紹介。
練習をしていた、「The Best Of Times」は
2009年のアルバム「Black Clouds & Silver Linings」内の楽曲。

 

◆チェスタトンの名言「木の葉は森に隠せ」

 ギルバート・キース・チェスタトンは1874年、ロンドン生まれの作家。
ブラウン神父が探偵役を務める推理小説シリーズで知られる。
「木の葉は森に隠せ」は「ブラウン神父の童心-折れた剣」 で登場する言葉。
死体を隠すには死体の山を築くしかないという蓮実教諭の独白があったが、
この言葉も「折れた剣」の中で表現されている。

 

◆エマーソン・レイク&パーマー

 1970年にイギリスで結成されたプログレッシブ・ロックバンド。
ELTの略称で知られる。ロックにクラシックを取り入れた独自のスタイルを持ち、
代表曲の一つに、ムソルグスキーの「展覧会の絵」ロックにアレンジした曲がある。


本作のタイトルの由来となっていると考えられる「悪の教典♯9」は、
1973年のアルバム「恐怖の頭脳改革」に収録されている。
作中では、ドレッド・シアターのメンバーが、
この曲を練習しようとしたときに、蓮実教諭with猟銃に出会ってしまった。

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆「これは、全部、神の意志だったんだ」

 突然、神のせいにしだしたのはなぜか?
AEDによる録音で、久米教諭を犯人に仕立て上げようとしたストーリーが崩れたため、
頭がおかしい振りをすることで、減刑を狙う作戦に急遽切り替えたため。
下鶴刑事の「こいつは、もう、次のゲームを始めている。」という独白は、
このことを意味している。

 

◆「秘密」で佐々木が栗栖の好きな人を聞かなかった理由

 佐々木は蓮実教諭の前任校、都立**高校で連鎖自殺をしたとされる4人のうちの1人。
蓮実教諭の過去を掴みつつあった佐々木は、親友の栗栖を
危険な蓮実教諭に近付けないために、先手を打って、蓮実を好きだと言ったと思われる。
佐々木が栗栖の好きな人を聞かなかった理由は、上記から自明だから。

順を追って検証する。
元々、佐々木は栗栖が蓮実を好きなのではないかと危惧していた。
(普通は、友人の好きな人を聞くときに「眉間にしわを寄せ、心配そうな表情」
 にはならないだろう。)
そして、話を聞き進めるうちに、以下①、②の部分などで、確信に至ったと考えられる。


「わたしに協力してくれってことは、うちのクラスのやつなんだよね?」
「まあ、そういう言い方もできるかも」 … ①
ますます、麻美の表情が暗くなった。 
「こずえは、タメの男子ってガキっぽすぎて興味ないって言ってたと思うんだけど……」
こずえは微笑む。 … ②

 

広告




コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です