「悪の教典」の謎・ネタバレ(1/2)

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※この記事では文春文庫版上巻のみについて記述しています。
下巻の調べたくなる言葉及び、ストーリー上の謎、ネタバレはこちら

調べたくなる言葉

◆「三文オペラ」と「モリタート」

 三文オペラはドイツの劇作家、ベルトルト・ブレヒトの戯曲で、
曲はドイツの作曲家クルト・ヴァイルの手による。初演は1928年。
主人公であるロンドンの盗賊、メッキー・メッサーは、
一目惚れをしたポリーと結婚するが、
ポリーの父はロンドンの乞食の総元締めであり、
ポリーをメッキーから取り戻そうと騒動を起こすというあらすじ。
物語を通して、資本主義社会や市民社会への強烈な風刺が含まれている。

 「モリタート」は劇中歌で正式名称は「メッキー・メッサーのモリタート」
アメリカでは「マック・ザ・ナイフ」の名で、ジャズのスタンダード曲化している。
作中では、蓮実教諭が度々口笛で吹く曲。

 

◆フギンとムニン

 北欧神話の神、オーディンに従う二羽のワタリガラスの名。
フギンは「思考」を、ムニンは「記憶」を意味する。
日々、世界中を飛び回り、オーディンへ様々な情報を伝えるとされる。

 

◆ハンバーグを大家の飼い犬モモに与えること

 玉ねぎ等ネギ類に含まれている「アリルプロピルジスルフィド」は
犬の赤血球を破壊し、溶血性貧血を引き起こす。(最悪、死に至る)

 

◆二槽式の洗濯機

 洗濯槽と脱水槽が分かれている洗濯機。洗濯、すすぎ後、手動で
脱水槽へ洗濯物を移す手間がかかるため、現在では全自動洗濯機が主流。

 

◆ダイハツ・ハイゼット

 ダイハツ工業が発売する軽トラック。間違ってもデート向きではない。
作中では、蓮実の愛車。

Daihatsu Hijet-truck standard 510P.JPG
10代目ハイゼットトラック
「ダイハツ・ハイゼット」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年8月21日 00:29 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ウッディ・アレン

 1935年、アメリカ・ニューヨーク生まれの映画監督、俳優、脚本家etc…
1977年の「アニーホール」での作品賞を含め、数々のアカデミー賞受賞歴を持つ。
出身地であるニューヨークを舞台にしたおしゃれで、
シニカルな都会的なコメディ作品を多く残す。

Woody Allen
「ウディ・アレン」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2018年9月12日 12:43 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆アマチュア無線

 非営利の、個人で楽しむための無線。
無線従事者と、無線局の国家資格が必要。
インターネットや、携帯電話の普及で以前の勢いは無いが、
自分から情報を発信できる、世界中の人と交信できるなどの魅力から、
かつてはKing of Hobbyと呼ばれた。
作中では、アマチュア無線部の顧問である八木沢教諭の知識、機材が
携帯を使った集団カンニングを防ぐための妨害電波発生に利用された。

 

◆ジョー小泉

 1947年神戸市生まれのボクシング評論家、マッチメーカー、トレーナー。
2008年に日本人としては二人目の世界ボクシング殿堂入り。
作中では、蓼沼と山口が殴り合いをした際に、
ジョー小泉の採点なら10対9で蓼沼だろうと言われていた。

 

◆華氏451度

 1953年に発表された、レイ・ブラッドベリの長編SF小説。
タイトルは紙が燃え始める温度を指す(≒摂氏233度)
本の所持や読書が禁止され、情報が全てテレビやラジオといった
画像や音声のみに限られている世界が舞台。
主人公のガイ・モンターグは市民から本を没収し、
焼却するファイアマンの仕事をしている。
その仕事に何の疑問を感じていなかったガイだが、
ある女性との出会いをきっかけに疑問を持つようになり、
逆に追われる立場となる……というストーリー。
作中では、書き出しの”It was a pleasure to burn.” 
日本語で、「火の色は愉しかった」を、
蓮実教諭が清田家に火をつけるときに思い出した。

 

 

◆ハリー・フーディニ

 1874年現在のハンガリー・ブダペスト生まれの奇術師で、脱出王の異名を持つ。
また、作中で紹介されている、インチキ霊能者を暴いたのは物理学者ではなく、
フーディニのような奇術師だったというエピソードの通り、
超能力者や心霊術のイカサマを暴くサイキックハンターとしても知られる。

 

◆加油

 中国語で「頑張れ」の意。作中では、火に油を注ぐ、
Pour oil on the fire(火に油を注ぐ)に続けて書かれている。
場面としては、真田教諭の事故の直後に堂島教諭の怪文書を見せられた
酒井教頭に蓮実教諭が心の中で掛けた言葉。
火に油を注ぐというニュアンスと、励ましの言葉を掛けた使い方。

 

◆三島由紀夫「金閣寺」、水上勉「金閣炎上」

 どちらも1950年(昭和25年)7月に発生した放火事件を題材にした小説。
金閣や足利義満の木像他、多くの文化財が消失した。見習い僧侶が犯人だったが、
重度の吃音や母親の過度な期待、拝金主義的な鹿苑寺な雰囲気への反発等、
彼が抱えていた複雑な背景から、動機について様々に考察が行われ
「金閣寺」「金閣炎上」などの文学作品が生まれるに至った。
作中では、夏越、片桐らが修学旅行先の京都で乗った
タクシーの運転手が金閣について説明する際に、紹介された。

 

 

◆ウェルテル効果

 マスメディアによる自殺報道の影響で、特に若年層の自殺者が増える現象を言う。
ゲーテの1774年の著作、「若きウェルテルの悩み」が由来。
主人公ウェルテルが、婚約者のいる女性シャルロッテに恋をするが叶わず、
最終的には自殺してしまうという物語。
出版当時のヨーロッパで、この作品に影響されて自殺する若者が多く出たため、
この名が付けられた。
作中では、蓮実教諭の前任校、都立**高校で起こった
連続自殺事件を考察する新聞記事に使われていた。

 

◆岡田有希子

 ユッコ・シンドロームとも。1986年4月、当時、アイドルとして
絶頂を迎えつつあった
岡田有希子が18歳にして、飛び降り自殺をした。
この事件は、ワイドショーなどでセンセーショナルに報道され、
ウェルテル効果とみられる若者の後追い自殺が多発した。
この現象を後に、ユッコ・シンドロームと呼んだ。
作中では、ウェルテル効果と同じ場面で紹介された。

 

◆フォトグラフィック・メモリー

 写真的記憶の日本語が示す通り、
見たものを写真を撮るように記憶できる能力。
ビデオグラフィック・メモリーは造語と思われるが、
フォトグラフィックから更に進んで、映像的に記憶できる能力であり、
作中では、釣井教諭がその能力の持ち主であるとされている。

 

◆ブラックジャック

 皮や、布の袋に砂などを詰めた武器。
外傷が残りづらい一方、衝撃が内部に浸透しやすいため、
頭を殴られると脳震盪を引き起こす。
作中では蓮実教諭お馴染みの武器。

下巻の記事はこちら

<下巻>

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