「狐火の家」の謎・ネタバレ

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調べたくなる言葉

◆アリス・クーパーのだみ声が「The Telephone is ringing!」

 アリス・クーパーは1948年アメリカ・ミシガン州デトロイト生まれの
シンガー・ソングライター。ビジュアル系の始祖と呼ばれる米ロック界の重鎮。
「The Telephone is ringing!」は、1971年発表の彼の4枚目のアルバム
「キラー」への収録曲「Under My Wheels」の歌い出しの部分の歌詞。
作中では青砥純子の携帯電話着信音。

 

◆この怪物のような蜘蛛

 青砥が西野家の厠で遭遇したアシダカグモをこのように表現した。
アシダカグモは人家に棲息する大型蜘蛛で、全長は100mmを超える。
見た目は人に好かれるものとは言い難いがゴキブリなどの害虫を食べる益虫。

 

◆CSI:科学捜査班

 アメリカのテレビドラマ・シリーズ。CSIはCrime Scene Investigationの略。
ネバダ州ラスベガスを舞台に、最新科学を駆使して難事件に立ち向かう
ラスベガス市警の科学捜査班の活躍を描いた作品。
アメリカのみならず世界中で大ヒット。
作中では、青砥がこの作品の当初の主人公グリッソムが昆虫学者であることを
思い出すシーンが登場する。

 

◆上田ローマン橋

 長野県上田市にある信濃川の支流、神川にかかる上信越自動車道上のアーチ橋。
古代ローマの水道橋を連想させるためこの名がついた。

上田ローマン橋

「上田ローマン橋」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年2月6日 15:18 (UTC)  URL : https://ja.wikipedia.org

 

◆ミュージカル「ジキルとハイド」のナンバー「Murder,Murder!」

 イギリスの作家、ロバート・ルイス・スティーブンソンが1886年に発表した
小説「ジキル博士とハイド氏の奇妙な事件」を原作にしたブロードウェイミュージカル。
1990年に初演。「Murder,Murder!」は第2幕で使われたナンバー。
作中では、この曲も青砥の携帯着信音として使われていた。

 

◆真剣師

 プロ棋士ではなく、個人的な賭け将棋によって、生計を立てている者のこと。
作中では、榎本の知り合いで将棋に関係がある知り合いは真剣師崩れなどの
怪しげな連中しか思いつかなかったという文脈で紹介されている。

 

◆フィリップ・マーロウ

 アメリカの小説家、レイモンド・チャンドラーのハードボイルド小説に
登場する探偵の名前。ハードボイルドの探偵の代表格。
作中では、榎本のが2回も「フィリップ・マーロウを気取っているわけではない」
という発言をしている。

 

◆禿山の一夜

 ロシアの作曲家、モデスト・ペトローヴィチ・ムソルグスキーが、
1867年に作曲した管弦楽曲。作中では、榎本がハゲコウからの電話の
着信音に設定していた。

 

◆カスパロフ

 ガルリ・キーモヴィチ・カスパロフは、1963年現在のアゼルバイジャン・バクー
生まれの元チェス選手。15年間の長きに渡って世界チャンピオンとして君臨した。
1997年にIBM社が開発したチェス専用のコンピュータ、ディープ・ブルーに
僅差で敗れた。作中では、毒島竜王がチェス界のカスパロフの役回りを演じることに
なるのではないかと榎本が述べるシーンが登場。

 

◆藤井システム、森下システム

 どちらも将棋の戦法の名前。
藤井システムは、藤井猛が1995年に初めて採用した戦法で四間飛車の一種。
左美濃や居飛車穴熊の対策として研究された戦法で、
藤井はこの戦法で竜王位を奪取した。
森下システムは、森下卓が開発した戦法で、相居飛車の矢倉戦で、
先手で持ちいられた。後手番の動きに応じて、対応を「後出し」することに特徴。
作中では、来栖らが行っていた不正行為をシステムと呼んでいたが、
それは将棋の戦法としてシステムは良く使われるため、疑われにくいと
考えたためだったと紹介。

 

◆コマンドサンボ、グレイシー柔術

 サンボはソビエト連邦で開発された格闘技で、ソ連内務省や赤軍で徒手格闘技として、
採用されていた護身術。
グレイシー柔術は、ブラジルの格闘技の一つで、ブラジリアン柔術とも呼ばれる。
日本の柔道家から教わったグレイシー一族が、柔道を改変して作り上げた柔術。
作中では、松本さやかが筋トレ以外にこの二つの格闘技を習っていると述べる。

 

ストーリー上の謎、ネタバレ

◆各話の事件の真相

■狐火の家
 西野家に忍び込み、愛美を殺した犯人は西野真之の長男、猛。
猛は西野家の留守を狙って、家に忍び込み、金塊他金目のものを探しているときに
帰ってきた愛美を殺してしまった。その後、真之が帰宅し、猛を殺して厠に沈め、
脱出経路を偽装するために、一か所だけ窓を開けた。
真之は一方で、猛が金塊を持って逃走しているように見せかけようと、
猛のアパートへ金塊を置きに行った。そこを山崎里香と鉢合わせになり、
持っていた金塊で彼女を殺してしまった。
上記内容は、榎本に見破られ、まさに彼と青砥が乗った車が西野家に
近づいていくシーンで作品は終わっている。

 

■黒い牙
 桑島を殺したのは妻・美香。彼女は、前もって蜘蛛を飼育しているアパートへ
侵入し、そこで、桑島が愛するが毒はそれほど強くない
タランチュラ(チャコ・ジャイアント・ゴールデンストライプニー)のキャメロン
の体組織を抉って、着ぐるみを作り、それを猛毒を持つクロドクシボグモに被せた。
その後、桑島がアパートを訪れ、いつものようにキャメロンを
手に載せようとしたときに、クロドクシボグモに噛まれて死んだのだ。

 

■盤端の迷宮
 竹脇を殺したのは来栖。彼女は竹脇に携帯を使って不正をしていることを知られ、
それをネタに脅迫されていた。彼女は竹脇のいるホテルの部屋へ入るや否や、
包丁を一気に突き刺して殺した。その後、彼に奪われていた不正の証拠となる
携帯を回収して立ち去った。しかし、後で、彼の部屋に並べられていた盤面が、
携帯無しには知り得ない、竜王戦の最新盤面であったことに気づいて戻ろうとした。
しかし、わずかに息があった竹脇がそれを阻止するためにドアチェーンを
掛けていたため、盤面を変えることはできず、結局はそれが原因で榎本に
真相を見破られてしまった。

 

■犬のみぞ知る Dog knows
 ヘクター釜千代を殺したのは、飛鳥寺鳳也。
彼は、前もってヘクター釜千代邸の番犬、呑龍号を餌付けしておいた。
当日、ヘクター釜千代を殺害した彼は、証拠を全て隠滅し、
翌日改めてヘクター釜千代邸を訪問し、第一発見者となると、その後、
K9キャンセラー(超音波で犬を撃退する道具)を呑龍号へ向けることで、
再度嫌われるように仕向けた。ただし、彼が呑龍号に襲われたのは、
死体発見後であることを榎本に見破られた。(最初から嫌われていたのであれば、
そもそもヘクター釜千代邸に侵入することができなかったはず)

 

◆松本さやかについて

 劇団「土性骨」の一員である松本さやかは、「防犯探偵・榎本」シリーズの前作
「硝子のハンマー」の時点では、舞台となった介護サービス会社「ベイリーフ」に
勤めており、副社長秘書だった。事件後、ベイリーフを辞めて、
「土性骨」に専念していた。

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