ストーリー上の謎、ネタバレ
◆王子の生死について
木村茂、晃子夫妻によって、確実に、疑問の余地なく殺されたと考えられる。
根拠は二人の以下発言。
・茂の発言
「ここでは、まだ、おまえを殺さない。(後略)」
「(前略)とにかくだ、おまえは俺たちの孫に手を出した。
残念だったな。諦めろ。
とにかくすぐには殺さない。少しずつだ。(後略)」
「あのな、これは表現じゃねえぞ。実際に、みじん切りにする。
騒がれるとうるさいからまず声が出ないようにしてから少しずつな」
・晃子の発言
「でもね、いつもだったらわたしも、手加減してあげて、
ってこの人を宥めるんだけれど、
さすがに今回ばかりは、止められないわね」
「わたしたちの孫に手を出したのに、楽に死ねるとおもったの?」
調べたくなる言葉
◆タイトル名
主人公、七尾の業界での呼び名は天道虫。
天道虫は英語でLady Beetle(Lady Bird、Lady Bugとも)
文中の以下記述からLady=マリア様となるところから付けられたと考えられる。
マリア様の七つの悲しみを背負って飛んでいく。
だから、てんとう虫は、レディビートルと呼ばれる。
◆ドルチェ&ガッバーナ他
蜜柑と檸檬が、峰岸のぼんぼんに自己紹介した際に、口にしたでたらめ。
・ドルチェ&ガッバーナ
イタリアの高級ファッションブランド。
1985年にドメニコ・ドルチェとステファノ・ガッバーノにより創設。
・ドナルドとダグラス
きかんしゃトーマスに登場する双子の機関車。1899年スコットランド生まれ。
車体番号はドナルドが9、ダグラスが10。色は黒。
・芥川龍之介と梶井基次郎
どちらも主に大正時代に活躍した作家。
・ビルとベン、ハリーとバート
どちらもきかんしゃトーマスに登場する双子の機関車。
ビルとベンは1948年生まれ。車体番号はビルが1、ベンが2。色は黄色。
ハリーとバートはディーゼル機関車。1962年生まれ。車体番号無し。色は黄色と深緑色。
◆ヴァージニア・ウルフと三島由紀夫
どちらも自殺した作家。
ヴァージニア・ウルフは20世紀の戦間期に活躍したイギリスの作家。
主な作品は本文中にも登場する「灯台へ」や「ダロウェイ夫人」など。
三島由紀夫は20世紀前半~中盤に活躍した日本の作家。
主な作品は「潮騒」「豊饒の海」など。
◆スター・ウォーズの六部作
前日に真莉亜が見ていた映画。
スター・ウォーズ エピソードⅣ/新たなる希望(1977年公開)(121分)
スター・ウォーズ エピソードⅤ/帝国の逆襲(1980年公開)(124分)
スター・ウォーズ エピソードⅥ/ジェダイの帰還(1983年公開)(133分)
スター・ウォーズ エピソードⅠ/ファントム・メナス(1999年公開)(133分)
スター・ウォーズ エピソードⅡ/クローンの攻撃(2002年公開)(143分)
スター・ウォーズ エピソードⅢ/シスの逆襲(2005年公開)(140分)
(公開年は全て米国公開年、放映時間は全て初公開時点のもの)
一気に見ると、794分(=13時間23分)要するため、間違いなく寝不足になる。
◆塾講師の鈴木
前作、「グラスホッパー」の主人公。
名前、年齢(檸檬の見立てで30前後)、職業(塾講師)、
妻を事故で亡くしている、読んでいた本が「ホテルのビュッフェ」等の
ヒントから同一人物と考えられる。
◆マーフィーの法則
学術的な法則というわけではなく、「失敗する可能性のあることは必ず失敗する」
という考え方に代表される一種のジョーク集を指す。
具体例としては本文中にも紹介された、
「洗車をすると雨が降る。ただし、雨が降ってほしい場合を除く」や、
「落としたトーストがバターを塗った面を下にして着陸する確率は、カーペットの値段に比例する」
「天気予報の雨予報は、傘を忘れた日に限って的中する」
「バスは大抵定刻から遅れるが、自分が遅れた時だけ定刻に来る」 など。
日本では90年代初めに流行した。
法則名のマーフィーさんについては以下参照。
「いくつかの方法があって、一つが悲惨な結果に終わるものであるとき、
人は必ずその方法を選ぶ」という法則を述べた米軍のエンジニアという。
(出典:デジタル大辞泉)
◆アンナ・カレーニナ
1870年代、帝政ロシアを舞台にした、トルストイの小説。
◆冴羽獠
北条司の漫画「シティーハンター」の主人公でプロの殺し屋。
依頼方法は新宿駅東口の伝言板に「XYZ」の暗号と、連絡方法を書くことである。
◆「禁色」と「悪霊」
「禁色」(きんじき)は三島由紀夫の小説。
「悪霊」はロシアの作家、ドストエフスキーの小説。
◆檸檬が引用した以下小説について
『私は、その男を軽蔑する。足元の大地が割れ、
頭上からは巨岩が転落してくるというのに、歯を見せているからだ。
化粧の具合を確かめているからだ。私の軽蔑が嵐となり、
ここを荒らしたとして彼は』
実在する小説からの引用ではなく、著者によるでっち上げの文章。
(根拠は以下リンク先参照)
https://kadobun.jp/interview/38/ebf58a91?per_page=18
<次回作>
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