※この記事では、講談社文庫版の2巻のみについて記述しています。
1巻についての記事はこちら
3巻についての記事はこちら
4巻についての記事はこちら
調べたくなる言葉
◆無双連子
連子は、窓や欄間などに木や竹などの細い材料を、縦または横に取り付けたもの。
無双連子は、固定された連子の内側に、同形の連子を引き戸として付けたもの。
引き戸を引くと、両方の連子の隙間が埋まって一枚の板のようになる。
無双とは、表裏が同じもののこと。
作中では、暗黒館 東館の東側の窓は無双連子となっていた。(いつも閉じられている)
◆ハーフティンバー様式と旧松本健次郎邸
ハーフティンバー様式については、こちらの「黒猫館」の記事参照。
旧松本健次郎邸は、福岡県北九州市戸畑区にある、辰野金吾設計の洋館。
1912年に完成し、住宅兼迎賓館として使用された。国の重要文化財。
松本健次郎は1870年、福岡生まれの実業家で、安川電機、九州製鐵などの設立に関わり、
帝国鋳物(日立金属の前身)などの社長を務めた。
また、明治専門学校(現在の九州工業大学)の創設者の一人でもある。
「旧松本家住宅」『フリー百科事典ウィキペディア日本語版』
2017年12月26日 15:23 (UTC) URL : https://ja.wikipedia.org
◆乱歩の「パノラマ島」
江戸川乱歩の1927年の中編小説「パノラマ島奇譚」のこと。
顔がそっくりの大富豪に成り代わった夢想家の主人公が、
無人島に妄想の中の理想郷を実現するという話。
タイトルは、パノラマのように、移動していくにつれて奇妙な景色が広がる島のため。
作中では、瀬戸内海に浮かぶ時島に自身の楽園を建設しようとした大富豪の話が
パノラマ島奇譚になぞらえられている。
◆黄八丈
伊豆諸島の島、八丈島で作られる草木染の絹織物。
島に自生するイネ科の植物、コブナグサを染料に使った黄色に特徴がある。
◆「不思議の国のアリス」と「鏡の国のアリス」
どちらもイギリスのルイス・キャロルが、書いた児童文学。
「不思議の国」が1865年に刊行され、「鏡の国」は続編として1871年に刊行された。
作中では、美魚の部屋に「不思議の国」が置いてあり、「私」は、美鳥の部屋の
同じ場所には「鏡の国」があるのでは、と推測した。
また、彼女たちの飼い猫「チェシャ」は「不思議の国」に登場するにやにや笑う猫。
「不思議の国」「鏡の国」は「黒猫館の殺人」でも物語上の謎を解く鍵として登場した。
(こちらの記事参照)
◆カタコンベ
イタリア語で地下の墓所のこと。
元々は、ローマの7大聖堂の一つ、サン・セバスティアーノ聖堂の地下墓所を指したが、
後には地下墓所全般を指す言葉となった。
作中で、「私」が述べているように、小規模のものはニュポゲウムと呼び、
広範囲に渡って通廊で結ばれた墓室を持つものがカタコンベとされる。
「私」は暗黒館の惑いの檻の存在を聞いた際にカタコンベを思い浮かべた。
◆古峨精計社(1巻に出てきたけど記述しそびれたシリーズ1)
架空の時計メーカーで、「時計館の殺人」に登場する時計館の元々の所有者、
古峨倫典が前会長を務めていた。
古峨倫典は浦登柳士郎と懇意にしており、暗黒館の遊戯室にある、
からくり時計を設計・製作した。
◆藤沼一成(1巻に出てきたけど記述しそびれたシリーズ2)
架空の幻想画家で、応接間に飾られていた「緋の祝祭」、「兆し」他、
暗黒館にいくつかの作品が残っている。
浦登柳士郎のお気に入りの画家であり、暗黒館に招いたこともある。
「水車館の殺人」の舞台は一成の息子、紀一が暮らす館で、
そこには一成の作品が全て集められていた。
1巻についての記事はこちら
3巻についての記事はこちら
4巻についての記事はこちら
<第三巻>
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